ERIC CLAPTON - IRVING PLAZA 1994 3RD NIGHT: DAT MASTER(2CD) [Beano-283]
ERIC CLAPTON - IRVING PLAZA 1994 3RD NIGHT: DAT MASTER(2CD)
[Beano-283]
販売価格: 3,800円(税込)
商品詳細
★在庫切れの場合取り寄せ(1週間で入荷)
★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。
Live at Irving Plaza, New York City, NY, USA 28th November 1994 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
UPGRADE
【クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」極上音源の究極の1st GEN.バージョン第3弾が遂に登場!】
先般、イギリス在住の重鎮テーパーから提供されたアップグレードDATマスターより、クラプトンがキャリアの原点に戻り 、短期間だけ小さなクラブを回った94年の「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」から、94年11月ニューヨークシティ、アーヴィングプラザ公演初日、2日目の極上ステレオ・オーディエンス録音の完全収録版を「Irving Plaza 1994 1st Night: DAT Master Upgrade(2CD)」、「Irving Plaza 1994 2nd Night: DAT Master Upgrade(2CD)」としてリリースさせていただき、大好評を得ておりますが、マニアならご存じのように、このアーヴィングプラザ公演は3日間行なわれていました。
当店が重鎮テーパーから入手したDATマスターには実は3日目、11月28日のもあったのですが、当店はリリースを見送りました。なぜなら、既発盤と同じく、アンコールのAin't Nobody's Business終盤に致命的なデジタルノイズが乗っていた上に、Third Degree の★6:34 〜 次曲 0:18、などの箇所に別音源が補填がされていたためです。しかし!今回当店が入手しましたのは、既発盤でメインに使用されていたマスターの大元となったファースト・ジェネレーションDATマスターなのです!
この発掘は史上初です!その特長はと言いますと、既発盤よりも音圧が高く、音質が圧倒的に良いこと、さらに一切の補填なし、そして致命的なノイズのあったAin't Nobody's Businessにまったくノイズがないこと、です。既発盤ではさらに恐らく高音を上げるイコライズが施されており、不自然な音になっていました。それは、ブルースハープのシェーカーマイクを通した独特の音を比較すると良く解っていただけるでしょう。つまり本作が、この日の、まったく欠点のないファースト・ジェネレーションマスターを収録した唯一のものであるということなのです。聴いていただければ、本作のアドヴァンテージをすぐにお解りいただけるでしょう。3日目のこの日は、初日、2日目とはセットリスト上で2曲組み換えがありますし、何と言ってもデジタルノイズが耳障りで聴いていられなかったAin't Nobody's Businessを集中して聴き込める素晴らしさ!しかもクラプトンのアドリブが最高ときてます。逆に本作によって、既発盤のマスターが、録音時のデジタルエラーではなく、ファーストジェネレーションマスターをCDRにコピーした際のデジタルエラーであったことが証明されたことになります。「Irving Plaza 1994 1st Night: DAT Master Upgrade(2CD)」、「Irving Plaza 1994 2nd Night: DAT Master Upgrade(2CD)」を聴いて感動された方、クラプトンのブルースの熱烈なファンの方はこの日も絶対はずせないのではないでしょうか。
このツアーは、当店が先般無料ギフトにてリリースしました、同年11月11日にカリフォルニア州ウェストハリウッドのハウス・オブ・ブルースにて収録されたオーディエンスショット映像「House Of Blues 1994 1st Night」をご覧になった方ならお判りのように、本当にこじんまりしたクラブで食事をしながら鑑賞するといった形態で行なわれた公演でした。ビッグネームのクラプトンがそんな環境で演奏することなど、当時でも考えられないことだったのですが、原点回帰を目指したクラプトンが敢えてブッキングしたツアーだったのです。本作では、この日も間違いなく最前列席で録音されたであろうと想像されるような楽音とボーカルの凄まじい迫力が捉えられています(前方向からのオーディエンスノイズがなく、それらは後ろ上方と左右からしか聞かれませんので)。このクラブツアーを捉えたオフィシャルリリースの映画とそのサントラCD「ナッシン・バット・ザ・ブルース」は、監督のマーティン・スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではなかったことを考えると、クラブギグの全貌を極上音質で楽しめる本作の魅力は計り知れないものだと言えるでしょう。さらに、本音源を収録した既発盤は、連続公演だった当地でのコンサートを一挙収録したボックス形態でリリースされ、そのボリュームに応じた高価格だったため未購入だった方もおられると思います(もちろんそこにはAin't Nobody's Businessにノイズの乗ったバージョンが収録されていました)。今回当店では1公演毎に1作という、ご入手していただきやすい形でリリース致してますので、お手軽にお楽しみいただけますし、ここに遂に3日目公演の完璧なマスターを聴いていただけることになります。
94年〜95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。
【クラプトンがブルースに回帰した訳】
ではなぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのでしょうか?それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、クラプトンは少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側の態度が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。その中でも、ヤードバーズ時代、ブルースブレイカーズ時代という下積み期に経験したクラブという環境。「原点回帰」という点では、クラプトンにとって絶対はずせないスポットだったのです。それだけに、このクラブツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。
【全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成】
ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、
<1994年>
≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫
9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。
10月3日〜11月4日:全米アリーナ・ツアー
11月7日〜11月28日:全米クラブ・ツアー ←【ココ】
<1995年>
2月15日〜3月7日:イギリス・ツアー
4月5日〜5月5日:ヨーロッパ・ツアー
8月28日〜9月24日:全米アリーナ・ツアーII
10月1日〜10月13日:ジャパン・ツアー
本作に収録された11月28日は、この「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」の最終日に当たっていたことがお分かりでしょう。シッティングのアコースティックセットからスタンディングのエレクトリックセットに移行する中、その進行に連れてクラプトンとバンドの「熱」が急激に高まっていき、終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開され、究極まで上り詰めたところでレギュラーセットが終了。アンコールラストではピアノだけをバックに独唱し、エンディングはバンド総勢での感動的な演奏で締めるという意外なナンバーAin't Nobody's Businessでオーディエンスの心を震わせて終了、という構成でした。前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、中盤以降のギターソロが大々的にフィーチュアされるナンバーについては、ライブアーティストであるクラプトンの真髄を見せるように、完全アドリブで澱むことのない切れ味抜群の怒涛のフレーズを畳み掛けています。特にEarly In The Morning以降の終盤での弾き捲りは凄過ぎます。そのEarly In The MorningとFive Long Yearsはこの日も激アツのテイクとなっています。本当によくぞここまで指が動くものだと感嘆させられます。しかもただの速弾きではなく、スピリットが乗っかっているクラプトンならではのフレーズなのです。セットリスト的には、初日、2日目のCan't Judge Nobodyに代わり、Before You Accuse Meがプレイされていること、初日のSweet Home Chicago、2日目のDriftin’ の代わりにBlack Cat Boneが演奏されているのが貴重です。つまりこの日しか聴けない曲が2曲あるということで、是非これらのナンバーも聴いていただきたいところ。さらにこの日のAin't Nobody's Businessも最高!当然前2日とは違うフレーズ構成で冴え渡っています。この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。アンコールに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。本作ではこのテイクを初めてノイズなし、ストレスなしの完璧な状態で聴いていただけます。
またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる10本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、
(1)マーティン12弦-Motherless Child
(2)マーティン000-42-Malted Milk
(3)ドブロ-How Long Blues
(4)ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail
(5)ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four
(6)フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues All Day Long、Going Away、 Before You Accuse Me、Early In the Morning、Black Cat Bone、Five Long Years、Crossroads、Groaning The Blues 、Ain't Nobody's Business
(7)フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Standin' Around Cryin'
(8)ギブソン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise
(9)ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Reconsider Baby、Sinner's Prayer、Every Day I Have the Blues
(10)ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After a While、Tore Down、Have You Ever Loved A Woman、 Crosscut Saw
本作の極上音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」のハイライトだったクラブツアーを捉えた決定版の第3弾、しかも欠点、補填なしの大元マスター収録は本作だけです!
--------------------------------------------------------
(リマスター・メモ)
★★既発のメインで使われているDAT 大元マスターをダイレクト収録。
既発の大元のDATマスターで音が大きく、音質が良い。
★既発は、一部、本音源とは別音源で構成されている。(別音源の補填ポイントは下記)
* イントロの歓声。(メイン音源より長く収録されている)
* Motherless Childのギターイントロ(余分に繋ぎ合わせてるので実際の演奏と異なる。)
* Third Degree ★6:34 〜 次曲 Reconsider Baby 0:18 (本音源は接触不良でガタつくが切れは無し。初めて原音が聴ける)
★本DATマスターの優位点。
* 音質が圧倒的に良い。
既発はおそらく高音を上げるイコライズして、よろしくない音になっている。
ブルースハープのシェーカーマイクを通した独特の音を比較すると良く解ります。
* Ain't Nobody's Businessのエラーが無い。
既発はおそらくCDRディスエラー。
--------------------------------------------------------
★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc:1 (69:12)
1. Intro.
2. Motherless Child
3. Malted Milk
4. How Long Blues
5. Kidman Blues
6. County Jail
7. Forty Four
8. Blues All Day Long (Blues Leave Me Alone)
9. Going Away
10. Standing Around Crying
11. Hoochie Coochie Man
12. It Hurts Me Too
13. Blues Before Sunrise
14. Third Degree ★既発は6:34 〜 次曲 0:18迄別音源。本音源は通ってる
15. Reconsider Baby
16. Sinner's Prayer
17. Before You Accuse Me
Disc:2 (78:30)
1. Early In The Morning
2. Every Day I Have The Blues
3. Someday After A While
4. Tore Down
5. Have You Ever Loved A Woman
6. Crosscut Saw
7. Black Cat Bone
8. Five Long Years
9. Crossroads
10. Groaning The Blues
11. Ain't Nobody's Business ★既発の4分目以降デジノイズが本盤では問題無
Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Dave Bronze - bass
Andy Newmark - drums
Jerry Portnoy - harmonica
Simon Clarke - baritone saxophone
Roddy Lorimer - trumpet
Tim Sanders - tenor saxophone
★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。
Live at Irving Plaza, New York City, NY, USA 28th November 1994 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
UPGRADE
【クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」極上音源の究極の1st GEN.バージョン第3弾が遂に登場!】
先般、イギリス在住の重鎮テーパーから提供されたアップグレードDATマスターより、クラプトンがキャリアの原点に戻り 、短期間だけ小さなクラブを回った94年の「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」から、94年11月ニューヨークシティ、アーヴィングプラザ公演初日、2日目の極上ステレオ・オーディエンス録音の完全収録版を「Irving Plaza 1994 1st Night: DAT Master Upgrade(2CD)」、「Irving Plaza 1994 2nd Night: DAT Master Upgrade(2CD)」としてリリースさせていただき、大好評を得ておりますが、マニアならご存じのように、このアーヴィングプラザ公演は3日間行なわれていました。
当店が重鎮テーパーから入手したDATマスターには実は3日目、11月28日のもあったのですが、当店はリリースを見送りました。なぜなら、既発盤と同じく、アンコールのAin't Nobody's Business終盤に致命的なデジタルノイズが乗っていた上に、Third Degree の★6:34 〜 次曲 0:18、などの箇所に別音源が補填がされていたためです。しかし!今回当店が入手しましたのは、既発盤でメインに使用されていたマスターの大元となったファースト・ジェネレーションDATマスターなのです!
この発掘は史上初です!その特長はと言いますと、既発盤よりも音圧が高く、音質が圧倒的に良いこと、さらに一切の補填なし、そして致命的なノイズのあったAin't Nobody's Businessにまったくノイズがないこと、です。既発盤ではさらに恐らく高音を上げるイコライズが施されており、不自然な音になっていました。それは、ブルースハープのシェーカーマイクを通した独特の音を比較すると良く解っていただけるでしょう。つまり本作が、この日の、まったく欠点のないファースト・ジェネレーションマスターを収録した唯一のものであるということなのです。聴いていただければ、本作のアドヴァンテージをすぐにお解りいただけるでしょう。3日目のこの日は、初日、2日目とはセットリスト上で2曲組み換えがありますし、何と言ってもデジタルノイズが耳障りで聴いていられなかったAin't Nobody's Businessを集中して聴き込める素晴らしさ!しかもクラプトンのアドリブが最高ときてます。逆に本作によって、既発盤のマスターが、録音時のデジタルエラーではなく、ファーストジェネレーションマスターをCDRにコピーした際のデジタルエラーであったことが証明されたことになります。「Irving Plaza 1994 1st Night: DAT Master Upgrade(2CD)」、「Irving Plaza 1994 2nd Night: DAT Master Upgrade(2CD)」を聴いて感動された方、クラプトンのブルースの熱烈なファンの方はこの日も絶対はずせないのではないでしょうか。
このツアーは、当店が先般無料ギフトにてリリースしました、同年11月11日にカリフォルニア州ウェストハリウッドのハウス・オブ・ブルースにて収録されたオーディエンスショット映像「House Of Blues 1994 1st Night」をご覧になった方ならお判りのように、本当にこじんまりしたクラブで食事をしながら鑑賞するといった形態で行なわれた公演でした。ビッグネームのクラプトンがそんな環境で演奏することなど、当時でも考えられないことだったのですが、原点回帰を目指したクラプトンが敢えてブッキングしたツアーだったのです。本作では、この日も間違いなく最前列席で録音されたであろうと想像されるような楽音とボーカルの凄まじい迫力が捉えられています(前方向からのオーディエンスノイズがなく、それらは後ろ上方と左右からしか聞かれませんので)。このクラブツアーを捉えたオフィシャルリリースの映画とそのサントラCD「ナッシン・バット・ザ・ブルース」は、監督のマーティン・スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではなかったことを考えると、クラブギグの全貌を極上音質で楽しめる本作の魅力は計り知れないものだと言えるでしょう。さらに、本音源を収録した既発盤は、連続公演だった当地でのコンサートを一挙収録したボックス形態でリリースされ、そのボリュームに応じた高価格だったため未購入だった方もおられると思います(もちろんそこにはAin't Nobody's Businessにノイズの乗ったバージョンが収録されていました)。今回当店では1公演毎に1作という、ご入手していただきやすい形でリリース致してますので、お手軽にお楽しみいただけますし、ここに遂に3日目公演の完璧なマスターを聴いていただけることになります。
94年〜95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。
【クラプトンがブルースに回帰した訳】
ではなぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのでしょうか?それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、クラプトンは少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側の態度が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。その中でも、ヤードバーズ時代、ブルースブレイカーズ時代という下積み期に経験したクラブという環境。「原点回帰」という点では、クラプトンにとって絶対はずせないスポットだったのです。それだけに、このクラブツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。
【全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成】
ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、
<1994年>
≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫
9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。
10月3日〜11月4日:全米アリーナ・ツアー
11月7日〜11月28日:全米クラブ・ツアー ←【ココ】
<1995年>
2月15日〜3月7日:イギリス・ツアー
4月5日〜5月5日:ヨーロッパ・ツアー
8月28日〜9月24日:全米アリーナ・ツアーII
10月1日〜10月13日:ジャパン・ツアー
本作に収録された11月28日は、この「ナッシン・バット・ザ・ブルース・クラブツアー」の最終日に当たっていたことがお分かりでしょう。シッティングのアコースティックセットからスタンディングのエレクトリックセットに移行する中、その進行に連れてクラプトンとバンドの「熱」が急激に高まっていき、終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開され、究極まで上り詰めたところでレギュラーセットが終了。アンコールラストではピアノだけをバックに独唱し、エンディングはバンド総勢での感動的な演奏で締めるという意外なナンバーAin't Nobody's Businessでオーディエンスの心を震わせて終了、という構成でした。前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、中盤以降のギターソロが大々的にフィーチュアされるナンバーについては、ライブアーティストであるクラプトンの真髄を見せるように、完全アドリブで澱むことのない切れ味抜群の怒涛のフレーズを畳み掛けています。特にEarly In The Morning以降の終盤での弾き捲りは凄過ぎます。そのEarly In The MorningとFive Long Yearsはこの日も激アツのテイクとなっています。本当によくぞここまで指が動くものだと感嘆させられます。しかもただの速弾きではなく、スピリットが乗っかっているクラプトンならではのフレーズなのです。セットリスト的には、初日、2日目のCan't Judge Nobodyに代わり、Before You Accuse Meがプレイされていること、初日のSweet Home Chicago、2日目のDriftin’ の代わりにBlack Cat Boneが演奏されているのが貴重です。つまりこの日しか聴けない曲が2曲あるということで、是非これらのナンバーも聴いていただきたいところ。さらにこの日のAin't Nobody's Businessも最高!当然前2日とは違うフレーズ構成で冴え渡っています。この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。アンコールに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。本作ではこのテイクを初めてノイズなし、ストレスなしの完璧な状態で聴いていただけます。
またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる10本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、
(1)マーティン12弦-Motherless Child
(2)マーティン000-42-Malted Milk
(3)ドブロ-How Long Blues
(4)ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail
(5)ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four
(6)フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues All Day Long、Going Away、 Before You Accuse Me、Early In the Morning、Black Cat Bone、Five Long Years、Crossroads、Groaning The Blues 、Ain't Nobody's Business
(7)フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Standin' Around Cryin'
(8)ギブソン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise
(9)ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Reconsider Baby、Sinner's Prayer、Every Day I Have the Blues
(10)ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After a While、Tore Down、Have You Ever Loved A Woman、 Crosscut Saw
本作の極上音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」のハイライトだったクラブツアーを捉えた決定版の第3弾、しかも欠点、補填なしの大元マスター収録は本作だけです!
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(リマスター・メモ)
★★既発のメインで使われているDAT 大元マスターをダイレクト収録。
既発の大元のDATマスターで音が大きく、音質が良い。
★既発は、一部、本音源とは別音源で構成されている。(別音源の補填ポイントは下記)
* イントロの歓声。(メイン音源より長く収録されている)
* Motherless Childのギターイントロ(余分に繋ぎ合わせてるので実際の演奏と異なる。)
* Third Degree ★6:34 〜 次曲 Reconsider Baby 0:18 (本音源は接触不良でガタつくが切れは無し。初めて原音が聴ける)
★本DATマスターの優位点。
* 音質が圧倒的に良い。
既発はおそらく高音を上げるイコライズして、よろしくない音になっている。
ブルースハープのシェーカーマイクを通した独特の音を比較すると良く解ります。
* Ain't Nobody's Businessのエラーが無い。
既発はおそらくCDRディスエラー。
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★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc:1 (69:12)
1. Intro.
2. Motherless Child
3. Malted Milk
4. How Long Blues
5. Kidman Blues
6. County Jail
7. Forty Four
8. Blues All Day Long (Blues Leave Me Alone)
9. Going Away
10. Standing Around Crying
11. Hoochie Coochie Man
12. It Hurts Me Too
13. Blues Before Sunrise
14. Third Degree ★既発は6:34 〜 次曲 0:18迄別音源。本音源は通ってる
15. Reconsider Baby
16. Sinner's Prayer
17. Before You Accuse Me
Disc:2 (78:30)
1. Early In The Morning
2. Every Day I Have The Blues
3. Someday After A While
4. Tore Down
5. Have You Ever Loved A Woman
6. Crosscut Saw
7. Black Cat Bone
8. Five Long Years
9. Crossroads
10. Groaning The Blues
11. Ain't Nobody's Business ★既発の4分目以降デジノイズが本盤では問題無
Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Dave Bronze - bass
Andy Newmark - drums
Jerry Portnoy - harmonica
Simon Clarke - baritone saxophone
Roddy Lorimer - trumpet
Tim Sanders - tenor saxophone