BLACK SABBATH - 1984(5CDR) [Shades 384]

BLACK SABBATH - 1984(5CDR) [Shades 384]

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商品詳細

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Cow Palace, San Francisco, CA. USA 25th January 1984 TRULY AMAZING SOUND
Reunion Arena, Dallas, TX. USA 8th February 1984 TRULY AMAZING SOUND
Springfield Civic Center, Springfield, MA. USA 4th March 1984 TRULY AMAZING SOUND

 イアン・ギランとBLACK SABBATHが合流した「BORN AGAIN」ツアーより、ファンから強いリリース要望があった1984年ツアー・ライヴ音源が、3公演セット・5枚組となってここに登場です! '83年とは異なるセットリストの'84年アメリカツアーは、年明けの1月末から3月初めにかけてわずか1ヶ月強のみ。ファンの間でも穴となる「知られざる時代」なのです。しかし、今回登場する本作は希少な'84年ライヴの詳細を1月(初日)・2月・3月(最終日)の3公演で詳細に明らかにする、決定的なアイテムとなる事でしょう!

 時間を少々戻しましょう。「BORN AGAIN」をリリースし、'83年8月からヨーロッパを廻ったBLACK SABBATHは、'83年10月後半から1ヶ月を越える全米ツアーを挙行します。一般に問題作と言われる事が多かった「BORN AGAIN」ですが、BLACK SABBATHおよびイアン・ギランの根強い人気、その両者が合流したセンセーショナルな話題性はアメリカのファン心理を捉え、大きな反響を呼びました(海外マニアの話によれば、特にカナダ・ケベック地方ではセールスが好調だったそうです)。ギランが「自分にとっては'70年代のDEEP PURPLE以来の規模だった」というこの時のツアーは、「Smoke On The Water」効果もあって、各地で熱狂的な盛り上がりを見せました。
 そんな充実のツアーをこなしていったBLACK SABBATHは、11月30日のテキサス州エル・パソ公演でツアーを一度しめくくり、再開は'84年1月16日のカナダ・カルガリー公演からと決定します。しかし年が明けた'84年の初めからバンドはメンバーの病気のためツアーの延期を余儀なくされ、カルガリー公演から1月23日のオレゴン州ポートランド公演までの6公演はキャンセルされてしまいます。バンドは体勢を仕切りなおした1月25日から、ようやく'84年ツアーを開始します。
 本作はこの'84年ツアーより、再開初日となった1月25日のカリフォルニア州サンフランシスコ公演と2月8日のテキサス州ダラス公演、さらに最終日となった3月4日のマサチューセッツ州スプリングフィールド公演を、いずれも上位のオーディエンス・マスターからリマスターの上で音盤化しています。

 ディスク1には、1月25日のサンフランシスコ公演を収録しています。本音源は海外コレクターの間において「STONEHENGE」というタイトルで流通している音源のマスターを用いています。ディスク1枚という容量からも判るとおり、本音源は残念ながら完全収録ではありませんが、種類が限られている'84年オーディエンス音源の中でも、特に聴きやすく安定した録音でライヴの模様に触れる事ができます。
 イントロの「Supertzar」から流れ込む「Neon Knights」、続く「Hot Line」や「War Pigs」でも、ヘヴィなSABBATHサウンドにギランのシャウトという一度聴いたら忘れない演奏を楽しめます。さらに邪悪すぎる「Black Sabbath」など、唯一無二同士の顔合わせだから実現した破天荒なライヴ・パフォーマンスは強烈無比! 抜けの良い高音と迫力ある低音に加え、会場のエコーをほど良く含んだ空気感を湛えた録音は聴き応えがあります。各楽器のバランスよい配分も手伝って、ファンは特徴的な演奏を安心して聴き込めるでしょう。元マスターの都合により、本音源はドラムソロや「Disturbing The Priest」だけでなく「Smoke On The Water」まで未収録ですが、73分に凝縮された演奏は、ギランSABBATHのエッセンスを手軽かつ濃密に味わわせてくれるでしょう。

 ディスク2と3へ収録された音源は、'84年ツアーも中盤に差し掛かった2月8日・ダラス公演の模様です。'84年のライヴは全26公演ですので、11回目となるダラス公演はおおよそ真ん中にあたります。元となったマスターは濁りが目立つアベレージ・クラスのオーディエンス・ソースでしたが、音盤化にあたってのリマスター作業では可能な限りノイズの除去や明度の向上に努め、遅かったピッチも正常にアジャストしています。これらトリートメントの結果、はっきりとステージに焦点が絞られたように明らかとなった演奏や、トレーダー間で知られる同日の素材とはもはや別物と言えるほど良化したサウンドは、この日の音源を知っているマニアでも「乗り換え」必至の一本と言えるでしょう。
 テンションこそ高かったものの、ツアー初日ゆえのズレやミスが見られたディスク1のサンフランシスコ公演に対し、10日以上ライヴを重ねたこのダラス公演では、すっかり落ち着いた演奏を取り戻しています。ヘヴィに迫る「Disturbing The Priest」に、鉄の塊を引きずるようなリフが重々しい「Zero The Hero」など、全編で轟く悪魔的なヘヴィネスはいかなる聴き手をも卒倒させるドゥームの権化です!ギターソロからアイオミのメタリックなリフが炸裂する「Digital Bitch」は、このダラス公演が最後の演奏。同曲はアルバム中でも人気が高いナンバーだっただけに、ファンはこの場面も聴き逃せないでしょう。100分を越えるライヴはバンドの演奏・オーディエンスの熱気ともに大変充実しています。

 そしてディスク4・5には最終日のスプリングフィールド公演を、海外で流通している同日音源「IAN'S NIGHT」の元マスターより完全収録しています。この日の音源はこれまでも既発でダイジェスト的に収録されてはいましたが、SABBATH史上でも重要なライヴを通して聴ける価値は高く、すべてのBLACK SABBATH・ギランファン必聴の音源だと断言します! 全体的に演奏が固まり気味でややノイジーな印象ながら、過剰なイコライジングによって聴き辛い音像になっていた既発と較べると、マスターから適正な音質補正を施された本作は確実に一段上であると明言できます。
 オープニングから各曲の演奏は普段のライヴと同じく進んでいくものの、「これが最後」という了解がある私達には特別な感慨を持って聴こえます。バンドを解散させる意思がないアイオミやギーザーは別として、脱退の意思を固めていたギランは少なくともここを「最後のライヴ」として臨んでいたと思われ、「War Pigs」では入魂のスクリームを轟かせています。当時のギランについてアイオミは「イアンはロニーの歌が声域に合わず、苦しそうだった」と述懐していますが、「Heaven And Hell」におけるギランの歌唱はこの曲を「手の内に入れた」という印象すらあり、彼らしい絶叫を挟みつつ、安定したパフォーマンスを聴かせます。反対にアンコールの「Smoke On The Water」は、アイオミとギーザーがすっかり自家薬籠中の物としており、まるで「最初からSABBATHの曲」と言わんばかりのヴァージョンで繰り広げます。ラストの「Paranoid」は、ギランが'89年にSABBATHのステージへ飛び入りした時にも歌いましたが、ギランのキャラクターはぴったりと曲想にフィットしており、抜群のエンターテイメントでショウのエンディングを演出します。こうして一連のライヴ音源を聴き通してみると、ギランにとってはリッチーと対立した再結成DEEP PURPLEよりも、BLACK SABBATHのほうが似合っていたのではないか?とすら感じられてなりません。

 BLACK SABBATHだけでなくイアン・ギラン、DEEP PURPLEファンからも評価が真っ二つに分かれる“SABBATH meets Gillan”ですが、ハードロック史上においても特異な一時代だったことは確か。約30年を経た現在では「BORN AGAIN」への支持も高まっていますが、そのライヴについては一般に知られていない部分が多く、こちらの再評価は未だ道半ばです。しかし昨年リリースされた'83年ライヴの「NEVER AGAIN」および「DEMON SEED」、そして本作で、ギランSABBATHのほぼ全期間が楽しめるようになりました。これらのライヴを追体験する事で、評価するにせよ批判するにせよ、ファンそれぞれがギランSABBATHへの認識を揺ぎ無いものと出来るでしょう。
 本作は“ギランSABBATH最終章”として、ファンならば絶対に押さえておきたい一本です!

★beatleg誌 vol.136(2011年11月号)のレビュー要約です。ご参考まで。

 '83年から継続する形で'84年初めに約2ヶ月間行われたSABBATHの「BORN AGAIN」アメリカツアーの第2レグは、今までファンが満足できるアイテムに乏しかったが、このタイトルは今までの空白を埋めて余りある5CD-R。初日と最終日に加えてツアー中盤の模様も収められており、一本でギランSABBATHの最後となった'84年ライヴの概略を把握できる。
 Disc-1のサンフランシスコ公演は既発同様に不完全版だが、クリアさや均整はより良好で、ギランのヴォーカルを中心に、アイオミのギター、ベヴ・ベヴァンのドラムがワイドに広がる音響も迫力がある。この日からセットに加わった「Neon Knights」ではギランがいきなり不慣れな所を見せるが、声の調子そのものは良好で、歌い慣れた「Hot Line」や「War Pigs」ではギランらしいシャウトを聴かせる。SABBATH版「Smoke On The Water」が未収録なのは、昔気質のマニアにはむしろ幸いか? なおライヴ後半は元マスターに起因してか途中で音が飛ぶような個所が多く、アンコールの「Paranoid」は特に目立つ。同曲はイントロの爆竹炸裂など格好よい場面が多いだけに、これはちょっと残念だ。
 Disc-2・3のダラス公演は今回がコレクターズ・アイテム初登場とされるもの。少々ノイズ気味でクリアさに欠け、やや遠めの録音だが、会場全体の音響を丸ごと俯瞰したサウンドは当時の素材として及第点か。10公演ほど消化してギランも「Neon Knights」を(それなりに)歌いこなしている。ヤケクソ気味のコーラス部分は壮絶だ。また「Supernaut」でも豪快な叫びを聴かせ、パワフルで男臭いギランSABBATHだからこその面白みは満喫できる。ライヴ後半は爆音気味なものの、最後の演奏とされる「Digital Bitch」や、ヘヴィな「Iron Man」も迫力ある音像で聴ける。収録時間が本作中でも特に長めなのは特徴のひとつだろう。
 Disc-4・5は最終日となったスプリングフィールド公演を収録。この音源は他レーベル既発の「NEON BITCHES」や「DEAD AGAIN」でも聴けたが、どちらも一部を欠いた断片的な収録だったので、トータルで収められたのは嬉しい。音的にはダラス公演と同程度だが、ステージはより近くに感じる。海外から入手した大元のマスターから音を起したというだけあって、既発と較べ耳当たりがマイルドで演奏も以前の盤より聴き取り易い。すでにPURPLE再結成へ心が向いたギランの歌はお仕事的だが、最後のライヴ演奏になった「BORN AGAIN」ナンバーはそれぞれに意義があるだろう。ラストを締める「Paranoid」は、心なしか"ひとつの時代の終わり"を感じさせる。
 SABBATH解体とPURPLE再結成を間近にした'84年ライヴのポイントを的確に突いた内容は非常に濃く、イアン・ギランや'80年代SABBATHのライヴに関心があるファンは必聴だろう。しかし限定20部のリリースだったため現在はすでに入手しづらい状況らしい。ショップには再度のリリースが望まれる一本だ。

★2011年に20セット限定でリリースされ、ファン・メディアから好評を博した名盤タイトルが7年ぶりに再リリース決定です。

Live at Cow Palace, San Francisco, CA. USA 25th January 1984

Disc 1
1. Supertzar 2. Neon Knights 3. Hot Line 4. War Pigs 5. Supernaut 6. Rock 'N' Roll Doctor
7. Black Sabbath 8. The Dark 9. Zero The Hero 10. Heaven And Hell 11. Guitar Solo
12. Digital Bitch 13. Iron Man 14. Children Of The Grave 15. Paranoid/Heaven And Hell (Reprise)

Live at Reunion Arena, Dallas, TX. USA 8th February 1984

Disc 2
1. Supertzar 2. Neon Knights 3. Hot Line 4. War Pigs 5. Disturbing The Priest 6. Supernaut
7. Drum Solo 8. Rock 'N' Roll Doctor 9. Black Sabbath

Disc 3
1. The Dark 2. Zero The Hero 3. Heaven And Hell 4. Guitar Solo 5. Digital Bitch 6. Iron Man
7. Children Of The Grave 8. Smoke On The Water 9. Paranoid/Heaven And Hell (Reprise)

Live at Springfield Civic Center, Springfield, MA. USA 4th March 1984

Disc 4
1. Supertzar 2. Neon Knights 3. Hot Line 4. War Pigs 5. Disturbing The Priest
6. Supernaut 7. Drum Solo 8. Rock 'N' Roll Doctor 9. Stonehenge 10. Black Sabbath

Disc 5
1. The Dark 2. Zero The Hero 3. Heaven And Hell 4. Guitar Solo 5. Iron Man
6. Children Of The Grave 7. Smoke On The Water 8. Paranoid / Heaven And Hell (Reprise)

Ian Gillan - Vocals Tony Iommi - Guitars Geezer Butler - Bass Bev Bevan - Drums
Geoff Nicholls - Keyboards