YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE - MARK BOALS YEARS VOL.2(6CDR) [SHADES]
YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE - MARK BOALS YEARS VOL.2(6CDR)
[SHADES]
販売価格: 3,500円(税込)
商品詳細
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Seattle Center Coliseum, Seattle, WA. USA 31st December 1985 TRULY AMAZING SOUND
Thomas & Mack Center, Las Vegas, NV. USA 10th January 1986 AMAZING SOUND
Glass City Boardwalk, Walbridge, OH. USA 7th September 1986 AMAZING SOUND
Arcadia Theatre, Dallas, TX. 14th September 1986 AMAZING SOUND
Wings Stadium, Kalamazoo, MI. USA 19th September 1986 GREAT SOUND
Alpine Valley Music Theatre, East Troy, MI. USA 20th September 1986 AMAZING SOUND
脱退したジェフ・スコット・ソートの後任として、1985年夏から1986年9月まで、約1年以上に渡って「YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE」のリードボーカルを務めたマーク・ボールズ在籍時のアンダーグラウンドのライブ音源12公演分を時系列に収録した「MARK BOALS YEARS」Volume 1 & 2。名盤「Trilogy」を産み出す大きな原動力となり、イングヴェイ自身が、歴代ボーカリストの中でベストと惜しみない賛辞の言葉を送る、ファン必携 のマーク在籍時の80年代中期のレアライブ集。
「Volume 2」には9月から11月にかけて行われたAC/DCの北米ツアーのサポートに続いて、12月28日のバンクーバーから1月12日のホノルルまで10公演、 ディオの「Sacred Tour」のサポートを行います。ディスク1には1985年12月31日のシアトル公演を高音質収録。ディオの前座としては3公演目となるこの日は大晦日 ということでか、いつもより長めの53分のステージを収録しています(音質も優れています。)。ディスク2には1月10日のラスベガス公演を収録。こちら は46分の収録。前月までのAC/DCとのツアーでは2曲目のOn The Run Againの後、約1分程のキーボードとギターによるスロウなブリッジパートを挟んでDon't Let It Endへメドレー演奏されていますが、この2公演ではこの位置にIcarus' Dream Suite Op. 4がマークの曲紹介入りで演奏されています。ディスク3から6までの4公演は、それから9ヶ月後の1986年9月、北米で行われた「Trilogy」リ リース直後のプロモーション・ツアーを収録しています。ちょうどマーク・ボールズ脱退直前のライブと言え、「Trilogy」ツアーのフルセットを歌う マークのステージは非常に貴重です。ちなみにベースはこのツアーより、マルセル・ヤコブからウォーリー・ボスに交代しています。特に9月7日と14日の ウォルブリッジとダラス公演はそれぞれ72分のフルセット収録で、音質は平均的な高音質ながら聴きごたえ満点。新作からのFury、Queen In Love、Fire、更には初期のI Am A VikingのYou Don't Remember, I'll Never Forgetも加わり、聴き所満載です。ギターソロにもTrilogy Suite Op. 5が登場しています。ディスク5に収録された9月19日カラマズ公演は前半のみの34分の収録で音質もいまひとつですが、ディスク6のイースト・トロイ公 演テイクはLiarまでで、こちらも54分と不完全収録ですが、音質は全体の中でも特に良く、マーク在籍時最後期のイングヴェイでのパフォーマンスを楽し めます。 Furyの前では「先週、リリースされたニューアルバム「Trilogy」から」というMCを聴くことができます。「Volume 1」同様に、音質はまちまちですが、どれも平均は確実にクリアーしていますので、どのレベルのファンでも楽しめるセットに仕上がっています。この直後に、 マークはバンドを解雇され、ジェフ・スコット・ソートが復帰します。ジェフは1986年日本ツアーでも素晴らしいパフォーマンスでファンを魅了してくれま したが、このマーク・ボールズの「Trilogy」ツアーを聴くと、できれば、1986年来日公演はマークで聴いてみたかった、と誰しもが感じるに違いあ りません。マニアックな内容でありながら、全てのファンに楽しんで頂ける、素晴らしい内容です。マーク・ボールズ在籍時の「YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE」の決定版間違いなし。大推薦の6枚組タイトルが登場です。
★beatleg誌 vol.133(2011年8月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
マークボールズ時代のライジング・フォースの足跡を辿る6枚組み大ボリュームタイトルの続編。このVol.2にはVol.1の続きとなる85年の最終公演(12月31日)から、解雇直前の86年9月20日までの公演が収録されている。
85年の最終日・大晦日公演のDisc-1は、のっけからオーディエンスを圧倒しているのが如実に伝わってくる渾身のライブだ。この日はマークの声が実に良く通っており、シンガーとしての非凡な才能がそこかしこで爆発。スクリーミングも単なる絶叫ではなく、まるで獅子の咆哮の様に気高く艶があり、声量の深さとレンジの広さを感じさせてくれる。インギーが「歴代最高のボーカルだった」と言うのもこの公演を聴けば素直を頷けるだろう。勿論そんなインギーもこの日は随所で素晴らしいギターワークが炸裂していて、(8)のソロは勿論のこと(3)での繊細なフレージングや(10)での楽曲への鋭い切り込み方などは筆舌に尽くし難い超絶アプローチを展開している。前座なので約53分間のステージではあるが、年の瀬に85年中でも最高と言える屈指のパフォーマンスで締めているのが伺える好音源である。
Disc-2のラスベガス公演は重厚感に満ちた骨太のパフォーマンス。この日は千両役者インギーの魅力が炸裂しており、呻るギターワークが満載だ。中でもここでのソロ(8)はいつになくクラシカルなフレーズが満載で、特に中盤で繰り広がるミュートを効かした各種バロック調の展開は大変華々しい。そして何と言っても(6)と(9)。(6)は躍動感に満ち溢れた曲想が見事に開花し、名曲(9)はうねるリズムと重厚かつ荘厳な表現が素晴らしい。またアンダースのドラミングもこの日はなかなかドラマチックで、(1)や(5)では大変熱いリズムワークで楽曲を引っ張っているのが分かると思う。しかしそれでもこの日はインギーの超絶ギターワークだろう。「まぁ聴いてよ。マジでスゲーから」頭の悪い言い方ではあるが、しかし理性を忘れてそう言いたくなってしまうほどにイングヴェイ・マルムスティーンなショウだと思う。
Disc-3からはリリースされたばかりのアルバム『TRILOGY』に伴ったプロモーションツアーからの音源で、このディスクからベースがマルセルからウォーリー・ボスに交代している。セットにも『TRILOGY』からの楽曲が加わり、グッと86年らしさが増しているのが分かるだろう。そもそもマークがこれら『TRILOGY』からの楽曲をフルセットライブで歌っている様子が聴けること自体貴重だが、そんなオリジナル・シンガーが歌う新曲(3)は乗りに乗った素晴らしいグルーヴが炸裂しており、名曲(12)も後に再加入するジェフ・スコット・ソートや後任のジョー・リン・ターナーとも違う独特の表現でライブ感を醸し出している。また、再びセットに復活した(10)がマークの声で聴ける点も大きく特筆されるだろう。そして何といっても(13)。後年になるにつれ無残なほど楽曲崩壊を起こすこの曲だが、初期はこれほど完璧な姿で、しかもアルバム通り忠実に披露されていた事を証明する貴重なドキュメンタリー音源だと思う。
Disc-4はダラスでの公演。新曲(3)縱が凄まじいスピードとグルーヴでいきなり襲い掛かってくる。(5)ではベースラインの鮮烈さに明らかな違いが聴き取れるだろう。決してマルセルを悪く言うわけではないが、しかしやはりウォーリーが奏でると楽曲の輪郭がより明確になり、加えてリズムラインにもスッと硬質な筋が通っているのがここでハッキリ分かる。レア曲(8)、そして名曲(12)はマークのボーカルの魅力が炸裂。伸びのある豊かな声量で高らかに歌い上げる様子は見事だ。(15)はもうスラッシュメタルかと思えるほどのスピードで披露されるが、終曲(16)はそれに更に輪を掛けた圧倒的なスピードで演奏されており、これは個人的に今まで聴いてきた同曲で最も速いライブ演奏だと思う。そのスピーディさはちょっと違和感を感じるほどだ。尚、(14)はアメリカ国歌のメロディーを冒頭だけ披露。
Disc-5のカラマズ公演はセットに多少の変更がなされており、Disc-4からの数日で最初のテコ入れがあった事を伺わせる。そんな中、ますますアグレッシヴさを増しているのが定番曲の(4)。冒頭数秒の音を聴いただけで異質なほどの弾け具合・ブチキレ具合が明確に分かるだろう。ここまで凄まじくブッ飛んだ演奏は他の公演でも滅多に聴いた事がないので一聴の価値大だと思う。(7)のソロは高速というより光速フレーズが目白押し。毎回少しずつ違うアプローチに釘付けになってしまうが、この日は特に速いフレーズのみで構成されている様に思う。(8)は冒頭の約1分間程度でフェイドアウト。かなり速めの素晴らしいビートで曲が進んでいるだけに残念な印象は否めないが、この日まだ続いてゆくショウの熱気はフェイドアウトの最後まで保たれている。
Disc-6は東トロイ公演。(1)で流れている会場BGMのクラシック・テープは、恐らくアントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感 / 協奏曲第2番ト短調 Adagio e spiccato - Allegro」の中間部分だと思う。面白いのは(4)が数日前のゴツゴツした演奏に比べて潤滑油を差したように随分スムーズになり、安定した演奏になっている点だろうか。勿論ボーカルはマークではなくなるものの、後に披露されるジェフやジョーの時期の演奏と殆ど差が無くなっている。(6)はマークの歌唱が際立って素晴らしいが、同時にボーカルアプローチひとつで楽曲が左右されるほどの存在感をその声に秘めていた事にも改めて気付かされる筈だ。素晴らしいビート感に包まれた(12)も強烈なアンサンブルの輝きを放っており、最後まで手に汗握るパフォーマンスが楽しめた。
最後に、これは聴き終えて実感した事だが、本作は資料的価値の高さは勿論なのだが、むしろライブパフォーマンスとしての質の高さこそ評価されるべきタイトルではないかと思う。マークがバンドに与えた功績を振り返る上で本作は今後欠かせないマストアイテムになる筈だ。推薦盤。
Disc 1
Live at Seattle Center Coliseum, Seattle, WA. USA 31st December 1985
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. On The Run Again 4. Icarus' Dream Suite Op. 4
5. Don't Let It End 6. Drum Solo 7. Soldier Without A Faith 8. Guitar Solo
9. Anguish And Fear 10. Black Star 11. Disciples Of Hell
Disc 2
Live at Thomas & Mack Center, Las Vegas, NV. USA 10th January 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. On The Run Again 4. Icarus' Dream Suite Op. 4
5. Far Beyond The Sun 6. Don't Let It End 7. Soldier Without Faith 8. Guitar Solo
9. Black Star 10. Disciples Of Hell
Disc 3
Live at Glass City Boardwalk, Walbridge, OH. USA 7th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Fury 4. Queen In Love 5. Far Beyond The Sun
6. Fire 7. Keyboard Solo 8. Soldier Without Faith 9. Icarus' Dream Suite Op. 4
10. I Am A Viking 11. Guitar Solo 12. You Don't Remember, I'll Never Forget
13. Trilogy Suite Op. 5 14. Liar 15. Black Star 16. Anguish And Fear
Disc 4
Live at Arcadia Theatre, Dallas, TX. 14th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Fury 4. Queen In Love 5. Far Beyond The Sun
6. Fire 7. Keyboard Solo 8. Soldier Without Faith 9. Icarus' Dream Suite Op. 4
10. I Am A Viking 11. Guitar Solo 12. You Don't Remember, I'll Never Forget
13. Disciples Of Hell 14. The Star-Spangled Banner 15. Liar 16. Anguish And Fear
Disc 5
Live at Wings Stadium, Kalamazoo, MI. USA 19th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Queen In Love 4. Far Beyond The Sun
5. Icarus' Dream Suite Op. 4 6. I Am A Viking 7. Guitar Solo 8. Liar
Disc 6
Live at Alpine Valley Music Theatre, East Troy, MI. USA 20th September 1986
1. Classic Tape Intro. 2. Intro. 3. I'll See The Light Tonight 4. Queen In Love
5. Far Beyond The Sun 6. Fury 7. Icarus' Dream Suite Op. 4 8. I Am A Viking 9. Guitar Solo
10. You Don't Remember, I'll Never Forget 11. Black Star 12. Liar
Yngwie J. Malmsteen - Guitar Mark Boals - Vocals Jens Johansson - Keyboards
Marcel Jacob - Bass(Disc 1-2) Wally Voss - Bass (Disc 3-6) Anders Johansson - Drums
★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。
Seattle Center Coliseum, Seattle, WA. USA 31st December 1985 TRULY AMAZING SOUND
Thomas & Mack Center, Las Vegas, NV. USA 10th January 1986 AMAZING SOUND
Glass City Boardwalk, Walbridge, OH. USA 7th September 1986 AMAZING SOUND
Arcadia Theatre, Dallas, TX. 14th September 1986 AMAZING SOUND
Wings Stadium, Kalamazoo, MI. USA 19th September 1986 GREAT SOUND
Alpine Valley Music Theatre, East Troy, MI. USA 20th September 1986 AMAZING SOUND
脱退したジェフ・スコット・ソートの後任として、1985年夏から1986年9月まで、約1年以上に渡って「YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE」のリードボーカルを務めたマーク・ボールズ在籍時のアンダーグラウンドのライブ音源12公演分を時系列に収録した「MARK BOALS YEARS」Volume 1 & 2。名盤「Trilogy」を産み出す大きな原動力となり、イングヴェイ自身が、歴代ボーカリストの中でベストと惜しみない賛辞の言葉を送る、ファン必携 のマーク在籍時の80年代中期のレアライブ集。
「Volume 2」には9月から11月にかけて行われたAC/DCの北米ツアーのサポートに続いて、12月28日のバンクーバーから1月12日のホノルルまで10公演、 ディオの「Sacred Tour」のサポートを行います。ディスク1には1985年12月31日のシアトル公演を高音質収録。ディオの前座としては3公演目となるこの日は大晦日 ということでか、いつもより長めの53分のステージを収録しています(音質も優れています。)。ディスク2には1月10日のラスベガス公演を収録。こちら は46分の収録。前月までのAC/DCとのツアーでは2曲目のOn The Run Againの後、約1分程のキーボードとギターによるスロウなブリッジパートを挟んでDon't Let It Endへメドレー演奏されていますが、この2公演ではこの位置にIcarus' Dream Suite Op. 4がマークの曲紹介入りで演奏されています。ディスク3から6までの4公演は、それから9ヶ月後の1986年9月、北米で行われた「Trilogy」リ リース直後のプロモーション・ツアーを収録しています。ちょうどマーク・ボールズ脱退直前のライブと言え、「Trilogy」ツアーのフルセットを歌う マークのステージは非常に貴重です。ちなみにベースはこのツアーより、マルセル・ヤコブからウォーリー・ボスに交代しています。特に9月7日と14日の ウォルブリッジとダラス公演はそれぞれ72分のフルセット収録で、音質は平均的な高音質ながら聴きごたえ満点。新作からのFury、Queen In Love、Fire、更には初期のI Am A VikingのYou Don't Remember, I'll Never Forgetも加わり、聴き所満載です。ギターソロにもTrilogy Suite Op. 5が登場しています。ディスク5に収録された9月19日カラマズ公演は前半のみの34分の収録で音質もいまひとつですが、ディスク6のイースト・トロイ公 演テイクはLiarまでで、こちらも54分と不完全収録ですが、音質は全体の中でも特に良く、マーク在籍時最後期のイングヴェイでのパフォーマンスを楽し めます。 Furyの前では「先週、リリースされたニューアルバム「Trilogy」から」というMCを聴くことができます。「Volume 1」同様に、音質はまちまちですが、どれも平均は確実にクリアーしていますので、どのレベルのファンでも楽しめるセットに仕上がっています。この直後に、 マークはバンドを解雇され、ジェフ・スコット・ソートが復帰します。ジェフは1986年日本ツアーでも素晴らしいパフォーマンスでファンを魅了してくれま したが、このマーク・ボールズの「Trilogy」ツアーを聴くと、できれば、1986年来日公演はマークで聴いてみたかった、と誰しもが感じるに違いあ りません。マニアックな内容でありながら、全てのファンに楽しんで頂ける、素晴らしい内容です。マーク・ボールズ在籍時の「YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE」の決定版間違いなし。大推薦の6枚組タイトルが登場です。
★beatleg誌 vol.133(2011年8月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
マークボールズ時代のライジング・フォースの足跡を辿る6枚組み大ボリュームタイトルの続編。このVol.2にはVol.1の続きとなる85年の最終公演(12月31日)から、解雇直前の86年9月20日までの公演が収録されている。
85年の最終日・大晦日公演のDisc-1は、のっけからオーディエンスを圧倒しているのが如実に伝わってくる渾身のライブだ。この日はマークの声が実に良く通っており、シンガーとしての非凡な才能がそこかしこで爆発。スクリーミングも単なる絶叫ではなく、まるで獅子の咆哮の様に気高く艶があり、声量の深さとレンジの広さを感じさせてくれる。インギーが「歴代最高のボーカルだった」と言うのもこの公演を聴けば素直を頷けるだろう。勿論そんなインギーもこの日は随所で素晴らしいギターワークが炸裂していて、(8)のソロは勿論のこと(3)での繊細なフレージングや(10)での楽曲への鋭い切り込み方などは筆舌に尽くし難い超絶アプローチを展開している。前座なので約53分間のステージではあるが、年の瀬に85年中でも最高と言える屈指のパフォーマンスで締めているのが伺える好音源である。
Disc-2のラスベガス公演は重厚感に満ちた骨太のパフォーマンス。この日は千両役者インギーの魅力が炸裂しており、呻るギターワークが満載だ。中でもここでのソロ(8)はいつになくクラシカルなフレーズが満載で、特に中盤で繰り広がるミュートを効かした各種バロック調の展開は大変華々しい。そして何と言っても(6)と(9)。(6)は躍動感に満ち溢れた曲想が見事に開花し、名曲(9)はうねるリズムと重厚かつ荘厳な表現が素晴らしい。またアンダースのドラミングもこの日はなかなかドラマチックで、(1)や(5)では大変熱いリズムワークで楽曲を引っ張っているのが分かると思う。しかしそれでもこの日はインギーの超絶ギターワークだろう。「まぁ聴いてよ。マジでスゲーから」頭の悪い言い方ではあるが、しかし理性を忘れてそう言いたくなってしまうほどにイングヴェイ・マルムスティーンなショウだと思う。
Disc-3からはリリースされたばかりのアルバム『TRILOGY』に伴ったプロモーションツアーからの音源で、このディスクからベースがマルセルからウォーリー・ボスに交代している。セットにも『TRILOGY』からの楽曲が加わり、グッと86年らしさが増しているのが分かるだろう。そもそもマークがこれら『TRILOGY』からの楽曲をフルセットライブで歌っている様子が聴けること自体貴重だが、そんなオリジナル・シンガーが歌う新曲(3)は乗りに乗った素晴らしいグルーヴが炸裂しており、名曲(12)も後に再加入するジェフ・スコット・ソートや後任のジョー・リン・ターナーとも違う独特の表現でライブ感を醸し出している。また、再びセットに復活した(10)がマークの声で聴ける点も大きく特筆されるだろう。そして何といっても(13)。後年になるにつれ無残なほど楽曲崩壊を起こすこの曲だが、初期はこれほど完璧な姿で、しかもアルバム通り忠実に披露されていた事を証明する貴重なドキュメンタリー音源だと思う。
Disc-4はダラスでの公演。新曲(3)縱が凄まじいスピードとグルーヴでいきなり襲い掛かってくる。(5)ではベースラインの鮮烈さに明らかな違いが聴き取れるだろう。決してマルセルを悪く言うわけではないが、しかしやはりウォーリーが奏でると楽曲の輪郭がより明確になり、加えてリズムラインにもスッと硬質な筋が通っているのがここでハッキリ分かる。レア曲(8)、そして名曲(12)はマークのボーカルの魅力が炸裂。伸びのある豊かな声量で高らかに歌い上げる様子は見事だ。(15)はもうスラッシュメタルかと思えるほどのスピードで披露されるが、終曲(16)はそれに更に輪を掛けた圧倒的なスピードで演奏されており、これは個人的に今まで聴いてきた同曲で最も速いライブ演奏だと思う。そのスピーディさはちょっと違和感を感じるほどだ。尚、(14)はアメリカ国歌のメロディーを冒頭だけ披露。
Disc-5のカラマズ公演はセットに多少の変更がなされており、Disc-4からの数日で最初のテコ入れがあった事を伺わせる。そんな中、ますますアグレッシヴさを増しているのが定番曲の(4)。冒頭数秒の音を聴いただけで異質なほどの弾け具合・ブチキレ具合が明確に分かるだろう。ここまで凄まじくブッ飛んだ演奏は他の公演でも滅多に聴いた事がないので一聴の価値大だと思う。(7)のソロは高速というより光速フレーズが目白押し。毎回少しずつ違うアプローチに釘付けになってしまうが、この日は特に速いフレーズのみで構成されている様に思う。(8)は冒頭の約1分間程度でフェイドアウト。かなり速めの素晴らしいビートで曲が進んでいるだけに残念な印象は否めないが、この日まだ続いてゆくショウの熱気はフェイドアウトの最後まで保たれている。
Disc-6は東トロイ公演。(1)で流れている会場BGMのクラシック・テープは、恐らくアントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感 / 協奏曲第2番ト短調 Adagio e spiccato - Allegro」の中間部分だと思う。面白いのは(4)が数日前のゴツゴツした演奏に比べて潤滑油を差したように随分スムーズになり、安定した演奏になっている点だろうか。勿論ボーカルはマークではなくなるものの、後に披露されるジェフやジョーの時期の演奏と殆ど差が無くなっている。(6)はマークの歌唱が際立って素晴らしいが、同時にボーカルアプローチひとつで楽曲が左右されるほどの存在感をその声に秘めていた事にも改めて気付かされる筈だ。素晴らしいビート感に包まれた(12)も強烈なアンサンブルの輝きを放っており、最後まで手に汗握るパフォーマンスが楽しめた。
最後に、これは聴き終えて実感した事だが、本作は資料的価値の高さは勿論なのだが、むしろライブパフォーマンスとしての質の高さこそ評価されるべきタイトルではないかと思う。マークがバンドに与えた功績を振り返る上で本作は今後欠かせないマストアイテムになる筈だ。推薦盤。
Disc 1
Live at Seattle Center Coliseum, Seattle, WA. USA 31st December 1985
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. On The Run Again 4. Icarus' Dream Suite Op. 4
5. Don't Let It End 6. Drum Solo 7. Soldier Without A Faith 8. Guitar Solo
9. Anguish And Fear 10. Black Star 11. Disciples Of Hell
Disc 2
Live at Thomas & Mack Center, Las Vegas, NV. USA 10th January 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. On The Run Again 4. Icarus' Dream Suite Op. 4
5. Far Beyond The Sun 6. Don't Let It End 7. Soldier Without Faith 8. Guitar Solo
9. Black Star 10. Disciples Of Hell
Disc 3
Live at Glass City Boardwalk, Walbridge, OH. USA 7th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Fury 4. Queen In Love 5. Far Beyond The Sun
6. Fire 7. Keyboard Solo 8. Soldier Without Faith 9. Icarus' Dream Suite Op. 4
10. I Am A Viking 11. Guitar Solo 12. You Don't Remember, I'll Never Forget
13. Trilogy Suite Op. 5 14. Liar 15. Black Star 16. Anguish And Fear
Disc 4
Live at Arcadia Theatre, Dallas, TX. 14th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Fury 4. Queen In Love 5. Far Beyond The Sun
6. Fire 7. Keyboard Solo 8. Soldier Without Faith 9. Icarus' Dream Suite Op. 4
10. I Am A Viking 11. Guitar Solo 12. You Don't Remember, I'll Never Forget
13. Disciples Of Hell 14. The Star-Spangled Banner 15. Liar 16. Anguish And Fear
Disc 5
Live at Wings Stadium, Kalamazoo, MI. USA 19th September 1986
1. Intro. 2. I'll See The Light Tonight 3. Queen In Love 4. Far Beyond The Sun
5. Icarus' Dream Suite Op. 4 6. I Am A Viking 7. Guitar Solo 8. Liar
Disc 6
Live at Alpine Valley Music Theatre, East Troy, MI. USA 20th September 1986
1. Classic Tape Intro. 2. Intro. 3. I'll See The Light Tonight 4. Queen In Love
5. Far Beyond The Sun 6. Fury 7. Icarus' Dream Suite Op. 4 8. I Am A Viking 9. Guitar Solo
10. You Don't Remember, I'll Never Forget 11. Black Star 12. Liar
Yngwie J. Malmsteen - Guitar Mark Boals - Vocals Jens Johansson - Keyboards
Marcel Jacob - Bass(Disc 1-2) Wally Voss - Bass (Disc 3-6) Anders Johansson - Drums