THE WHO - L.A. FORUM 1973 2ND NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES(2CD) [Wardour-493]

THE WHO - L.A. FORUM 1973 2ND NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES(2CD) [Wardour-493]

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商品詳細

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The Forum, Inglewood, CA, USA 23rd November 1973

 ザ・フー1973年の「四重人格」ツアーは終盤のフィラデルフィアとラーゴで行われたラジオ放送がLP「TALES FROM THE WHO」を皮切りとしてリリースされ続け、現在ではそれ用に収録されたそれぞれの全長版が「DEFINITIVE PHILADELPHIA 1973」、「DEFINITIVE LARGO 1973」としてリリースされています。つまり、このツアーに関してはリアタイでステレオ・サウンドボード録音が登場したせいでオーディエンスのアイテムが極めて少ない事態となってしまった。LPではかろうじて11月22日のLAフォーラムが80年代になって「LIVE AT LA FORUM」としてリリースされた程度。
 CD時代を迎えるとキース・ムーン卒倒ハプニングからの客席からドラマーを募ってショーを完遂した伝説のカウ・パレスのオーディエンス録音が何度かリリースされてきましたが、ある意味オーディエンス録音そのものが貴重なツアーだったのです。

 そんな状況に一石を投じる衝撃のリリースが今週遂に実現!今回リリースされるのは11月23日のLAフォーラム。このツアーは同会場で都合二回の公演が行われ、初日が先のLPにてリリースされていて、それもビンテージ・オーディエンス感のある録音でしたが、今回の二日目は正にビンテージ。モノラル録音でアナログ感たっぷり。惜しむらくは今回公開された2021年までにマスターのカセットが劣化してしまい、まるでAMラジオを選局するときに生じるような「ザー」という音がたまに入ってしまう。これがライブ「Love Reign O'er Me」辺りから顕著になる。また音像にも距離感があり(特にライブ前半)その点、マニア向けな音源だと申し上げておきましょう。
 それでも限定プレスCDでリリースするには訳がある。それは今回の音源が何とマイク・ミラードによる最初の録音だという衝撃的な事実。思い返せばJEMSが今日まで続くミラード・マスターの公開を始めた際「彼が1973年に初めてコンサートを録音した時から〜」と説明してくれていたものの、今まで彼による73年の音源というのは一切登場しませんでした。むしろミラードは74年から録音を始めた印象が強く、JEMSによる先の記述は新たな事実として世界中のマニアを驚かせました。
 そんなミラードが遺したカセットの公開が先週で100作目を迎えるということから、JEMSチームは「特別な音源を公開する」と珍しく予告しています。そして公開されたのが今回の音源だったという訳です。

 今回の音源がマイク・ミラード最古の音源となれば、先のようなテープの劣化が生じてしまったことにも合点がいくもの。またこの時点で彼はステレオ・マイクを持っておらず、それ故にビンテージなモノラル録音であったということも納得。おまけにこの時点でのミラードは後のような卓越した技術でクオリティの高い録音を志す前であり、とりあえず自分の見たコンサートを録音してみたい…という好奇心に駆られた結果であったのだとも思われます。
 一方で今回の音源には驚かされる点もある。それはザ・フーがステージに現れる前からレコーダーを回しており、客電が落ちて会場が熱狂の渦に巻き込まれる場面まで捉えてくれているということ。さらに傑作なのが終演後もしばしミラードがレコーダーを回し続けた結果、彼の近くにいた人物がコピーを求めるべくミラードに接触、それに応えた彼が自分の電話番号を教えてあげた場面が聞かれるという。後に音源トレードに関して偏狂さを増してしまうミラードも、この時点では無邪気に隣にいた人にコピーを作ってあげようとしてというのが微笑ましい。

 そうした中、ミラードがザ・フー73年のLAフォーラムの中でも二日目で録音を敢行してくれたのは幸いでした。というのも、あのキース卒倒カウ・パレスの次がLAフォーラム初日であり、当然「病み上がりショー」であったから。その点この日はキースも完全に復調、73年の彼らしい暴れ回るドラミングはもちろん「四重人格」パートでの「Bell Boy」では元気に台詞を発している。
 そして「四重人格」らしい攻めの演奏ぶりは圧巻。代表曲たる「My Generation」をショーの前半と終盤の二回に分け、その間にピート・タウンゼント入魂の「四重人格」を披露する構成はこのツアーならでは。特に終盤における二回目の「My Generation」は彼が「Let's See Action」を歌い出すなど、これまた73年ならではの自由な展開で突き進む様子が圧巻で、時折生じるテープ劣化ノイズにもめげずに聞いていただきたいもの。
 とはいえ「TOMMY」に代わるロック・オペラとして「四重人格」を推し進めたピートですが、ミラードによる記録は皮肉にもフォーラムにおける観客たちの反応までリアルに捉えていた。「四重人格」がスタートすると当初は大きな盛り上がりを見せていたものの、途中で彼の近くの観客がお喋りを始めてしまう。ところが「四重人格」が終わって「Won't Get Fooled Again」や「Pinball Wizard」が始まるやいなや観客は大熱狂…という生々しい73年ならではの臨場感まで捉えてくれたのが流石はミラード。先の理由から確かにマニア向けなクオリティの録音ではあるのですが、これがマイク・ミラードの処女録音ともなれば、それはもう歴史的遺産。刮目してご体験を。

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1 (65:28)
1. Pre-Show
2. Intro
3. I Can't Explain
4. Summertime Blues
5. My Wife
6. My Generation
7. I Am The Sea
8. The Real Me
9. The Punk and The Godfather
10. I'm One
11. Helpless Dancer
12. 5:15
13. Sea And Sand
14. Drowned

Disc 2 (73:04)
1. MC
2. Bell Boy
3. Doctor Jimmy
4. Love Reign O'er Me
5. Won't Get Fooled Again
6. Pinball Wizard
7. See Me, Feel Me
8. My Generation
9. Let's See Action
10. Magic Bus 
11. Naked Eye