QUEEN - LIVERPOOL 1977(2CDR) [Uxbridge 1384]

QUEEN - LIVERPOOL 1977(2CDR) [Uxbridge 1384]

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Empire Theatre, Liverpool, UK 2nd June 1977 TRULY AMAZING SOUND

 衝撃を振りまいている70年代QUEENの新発掘シリーズ。その“A DAY AT THE RACES TOUR”編が登場です。
 そんな本作に収められているのは「1977年6月2日リバプール公演」。その初登場オーディエンス録音です。今週は“SHEER HEART ATTACK TOUR”の超・貴重盤『LIVERPOOL 1974(Wardour-445)』が永久保存されますが、本作も同時に発掘された新マスター。1974年編は旧来録音のアップグレードでしたが、こちらは完全初登場となるライヴアルバムなのです。
 その衝撃の内容の前に、まずはショウのポジション。1977年と言えば、2つのツアーが交錯する時期でもありますので、ここでスケジュールを振り返っておきましょう。

●1977年
“A DAY AT THE RACES TOUR”
・1月13日-3月18日:北米#1(40公演)
・5月8日-6月7日:欧州#1(19公演)←★ココ★
《10月28日『世界に捧ぐ』発売》
“NEWS OF THE WORLD TOUR”
・11月11日-12月22日:北米#2(26公演)
●1978年
・4月12日-5月13日:欧州#2(20公演)

 これが“A DAY AT THE RACES TOUR”・“NEWS OF THE WORLD TOUR”の全体像。1976年末に『華麗なるレース』をリリースしたQUEENは、翌1977年の年明けからツアーを開始。初夏まで北米/欧州を巡ったところで次作『世界に捧ぐ』に取りかかる流れでした。本作のリバプール公演は、その終盤「欧州#1」の16公演目にあたるコンサートでした。また「1977年のリバプール」と言えば、“6月3日”公演の録音が知られてきましたが、本作はクレジットミスではなく別公演。2日連続の初日でした。
 そんなショウで記録された本作は、マスター鮮度も素晴らしいヴィンテージ・オーディエンス。ざっくばらんに言ってやや距離のある録音ではあるのですが、そのド真ん中を貫いてくる演奏音は繊細。また、プレス化も果たした『LIVERPOOL 1974』と同じテーパーなのかは分かりませんが、サウンドの傾向も似ていてマスタリングに最適。本作では独自の細心マスタリングも施しているのですが、その効果が絶大で空気感の透明度が飛躍的にアップ。クリスタル・クリアに透き通っていてディテールを曇らせないのです。
 また、もう1つ外せないのが現場の熱狂。これがもう凄い盛り上がり。肝心要のフレディもテンションが高いのですが、煽られるように客席側も天井知らずに盛り上がり、歌えや叫べやの大騒ぎ。もちろん、しっとりと歌い上げる曲では黙って聴き入っていますし、演奏音やフレディの歌声がかき消される事はない。それでもなお、火傷しそうなほどの熱気がスピーカーから吹き出す灼熱のライヴアルバムでもあるのです。
 そんなリアル・サウンドで描かれるのは、レア曲と絶好調のダブルで美味しいフルショウ。このツアーの象徴と言えば、何よりもアールズコートのプロショットが有名ですので、比較しながらセットを整理してみましょう。

・戦慄の王女(2曲):Keep Yourself Alive/Liar
・クイーンII(2曲):Ogre Battle/White Queen (As It Began)
・シアー・ハート・アタック(6曲):Killer Queen/Bring Back That Leroy Brown/Brighton Rock/Stone Cold Crazy/In The Lap Of The Gods...Revisited/Now I'm Here
・オペラ座の夜(6曲):You're My Best Friend/Death On Two Legs/Sweet Lady(★)/'39/The Prophet's Song/Bohemian Rhapsody
・華麗なるレース(6曲):Tie Your Mother Down/Somebody To Love/Good Old-Fashioned Lover Boy/The Millionaire Waltz/You Take My Breath Away/White Man
・その他:I'm A Man(★)/Jailhouse Rock Medley
※注:「★」印はアールズコート初日の大定番プロショットでも聴けない曲。

……と、このようになっています。「Sweet Lady」はこのツアーまでのレア曲ですが、アールズコート初日では「Doing All Right」に差し替え。アールズコート2日目でも演奏されているので本作がラスト・パフォーマンスではないものの、音源で残っているのは最後です。そして、もう1つの「I'm A Man」はさらに貴重。ボ・ディドリーのカバーですが、1977年でも「欧州#1」で10回ほどしか演奏されなかった激レア曲なのです。
 そして、そんなセットを紡ぐパフォーマンスがまた絶好調! 実のところ、本作直前のグラスゴウ2公演も、本作の翌日となるリバプール2公演目も名演で有名なのですが、間の本作も負けず劣らず。フレディの声はどこまでも気持ちよく伸び、インプロヴィゼーションも硬軟自在。音高差も伸ばし具合も思い通りで、いくらでも出る声が嬉しくて仕方がないかのようなテンション。しかも、その勢いが軽やかなピアノや他メンバーの演奏にも乗り移っていくのです。

 世界も驚く初登場マスターから流れ出たのは、ステージの上も下も大いに盛り上がる熱狂の会場でした。レア曲も美味しいですが、それ以上にショウそのものが至福。そんな現場にリアル・サウンドで立ち会える感動のライヴアルバムです。これだけアーカイヴが進んでも、まだまだ知られざる最高のショウがあった。考えてみれば当たり前なのかも知れませんが、こうして体験するとやはりQUEENの偉大さを実感する。そんな新発掘の1本。どうぞ、じっくりとご堪能ください。

★初登場!!!

Disc 1 (55:06)
1. Intro
2. A Day At The Races overture
3. Tie Your Mother Down
4. Ogre Battle
5. White Queen
6. Somebody To Love
7. Killer Queen
8. Good Old-Fashioned Lover Boy
9. The Millionaire Waltz
10. You're My Best Friend
11. Bring Back That Leroy Brown
12. Death On Two Legs
13. Sweet Lady
14. Brighton Rock

Disc 2 (57:46)
1. '39
2. You Take My Breath Away
3. White Man
4. The Prophet's Song
5. Bohemian Rhapsody
6. Keep Yourself Alive
7. Stone Cold Crazy
8. In The Lap Of The Gods... Revisited
9. Now I'm Here 
10. Liar
11. I'm A Man
12. Jailhouse Rock Medley
13. God Save The Queen