URIAH HEEP - BERLIN 1970(1CDR) [Uxbridge 1316]

URIAH HEEP - BERLIN 1970(1CDR) [Uxbridge 1316]

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Live at Auditorium Maximum, Berlin, Germany 29th December 1970 TRULY AMAZING SOUND

 URIAH HEEP最古とも言われる伝説ライヴアルバムの最高峰盤が登場です。その伝説盤に記録されているのは「1970年12月29日ベルリン公演」。その絶品オーディエンス録音です。
 1970年と言えば、年始には前身バンドSPICEとして活動しており、激しいメンバーチェンジの中でデビュー作『...VERY 'EAVY ...VERY 'UMBLE』だけでなく、2ndアルバム『SALISBURY』も制作。黎明期らしい混沌とした時期でもありました。そんな当時の状況を整理するためにも、まずは当時のスケジュールから振り返ってみましょう。

・2月14日-21日:英国#1(SPICE名義3公演)
《SPICE→URIAH HEEPに改名》
・3月20日:ソールズベリー公演
《4月:ナイジェル・オルソン→キース・ベイカーに交代》
・4月26日-6月8日:英国#2(5公演)
《6月19日『...VERY 'EAVY ...VERY 'UMBLE』発売》
・6月20日-9月27日:欧州#1(31公演)
《10月-11月『SALISBURY』制作》
・10月2日-12月23日:欧州#2(22公演)
《12月:キース・ベイカー→イアン・クラークに交代》
・12月25日-31日:欧州#3(8公演)←★ココ★

 これが1970年の歩み。2月21日のライヴを最後にSPICEからURIAH HEEPに改名(ちなみに最終公演はDEEP PURPLEの前座でした)し、栄光の歴史がスタートしました。その後、ドラマーを交代させながらアルバム2枚の制作とツアー(英国48公演+西ドイツ18公演+スイス1公演)を並行して実施。本作はイアン・クラークが加入し、『対自核』の布陣が揃った「欧州#3」の6公演目にあたるコンサートでした。
 そうした初期のショウで記録された本作は、貴重度だけでなくサウンドも素晴らしい。あくまでもヴィンテージ・オーディエンスですが、(時代柄、恐らく堂々と録音していたのでしょう)距離感のない芯がグイグイと手元に届き、実に地下強くダイレクト感たっぷり。しかも、マスター鮮度も素晴らしく70年代初期にはありがちなダビング劣化やゴワゴワ・ノイズもない。ベースもビビらずよく歌うラインが味わえ、ギターvsキーボードのアンサンブルもくっきり。何より、パワフルなデヴィッド・バイロンとケン・ヘンズレーによるぶ厚いコーラスも美しく堪能できるのです。
 そんなサウンドで描かれるのは、セットも演奏ぶりも何もかもが激レアな約1時間。まずセットから整理してみましょう。

●...VERY 'EAVY ...VERY 'UMBLE(2曲)
・Dreammare/Gypsy
●SALISBURY(4曲)
・Bird Of Prey/Time To Live/Simon The Bullet Freak/Salisbury
●その他
・So Nice To See You

……と、このようになっています。当然、制作済みの『...VERY 'EAVY ...VERY 'UMBLE』『SALISBURY』からセレクトされているわけですが、後年も演奏したのは「Gypsy」「Bird Of Prey」くらいで、他は生演奏なのが信じられないほどレアな曲ばかり。特にスタジオ作ではオーケストラ共演だった大曲「Salisbury」は、5人のバンド・バージョンで聴けるだけでも感無量です。
 また、見慣れない曲名もありますが、「Simon The Bullet Freak」は米盤『SALISBURY』や独盤シングル『Lady In Back』に収録されていた曲で、「So Nice To See You」はアルバム未収録のブルース・ナンバー。正式な曲名がないために「See You In My Dreams」「So Nice To See You (In My Dreams)」とも呼ばれますが、ジャム風に自由なムードが素晴らしく、いかにも英国ハードロック・バンドらしい彼らの本質がムキ出しになる必聴テイクです。

 初期YESにも通じ、後のQUEENにも影響を与えたであろうキャッチーなメロディとコーラス・ワーク、そして同期DEEP PURPLEを想起せずにはいられない疾走感とオルガンvsギターのスリル。そんなURIAH HEEPの本質が極初期の名曲群に乗ってスピーカーから吹き出すヒストリカルな1枚なのです。これこそ、50年前の英国。歴史が蠢いていた革命の現場です。その真っ直中に立ち、最前線を切り拓いていたURIAH HEEPを極上体験できるライヴアルバム……いえ、ドキュメントアルバムの大傑作。ハードロック誕生の刹那にたゆたっていた薫り、どうぞ本作で胸いっぱいに吸い込んでください。

(58:57)
1. Intro
2. Bird Of Prey
3. Time To Live
4. So Nice To See You (a.k.a. See You In My Dreams)
5. Dreammare
6. Simon The Bullet Freak
7. Salisbury
8. Gypsy

David Byron - Vocal
Mick Box - Guitar, Vocal
Ken Hensley - Organ, Vocal
Paul Newton - Bass, Vocal
Ian Clarke - Drums