PAUL McCARTNEY & WINGS - COLD CUTS 2ND & 3RD MIX(2CD) [IMPORT TITLE]

PAUL McCARTNEY & WINGS - COLD CUTS 2ND & 3RD MIX(2CD) [IMPORT TITLE]

販売価格: 3,800(税込)

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商品詳細

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2nd Mix (1980 Version) & 3rd Mix (1981 Version)* Upgrade

 ポール・マッカートニーの未発表曲集「COLD CUTS」といえば今やウィキペディアにまで載っているほど有名なお蔵入りアルバム。その起源は1970年代にまで遡り、ワーカホリックなポールが多くの曲を生み出す傍らでアルバムから惜しくも漏れてしまった楽曲たちをリリースさせる機会として立ち上げられました。先に触れたようにウィキにまで経緯が記されていますし、マニアでなくともこのアルバムがリリースするタイミングを何度も見失った挙句に封印されてしまったという事実は広く知られていること。
 言うなれば悲運のアルバムが初めて流出したのは1986年。ビートルズの「COLLECTORS ITEMS」を皮切りにとして、質の高いアルバムをリリースし続けたメーカーが遂に「COLD CUTS」の音源を発掘。この歴史的なリリースを実現してみせたのはリチャードという人物。TMOQのケン(とダブ)が1970年代を牽引した存在だとすれば、80年代は正にリチャードの時代だったと言っても過言ではありません。彼が「NEMS」というレーベル名を使ってリリースしたビートルズの「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」に「NOT FOR SALE」、そして「CONQUER AMERICA」などは未だに色褪せないほどの名作であったと同時に、今でも中古でよく見かけるLPでしょう。これはそれらのタイトルがビッグ・セールスを記録していたことの証です。
 さらに特筆すべきはリチャードがパッケージにも徹底的にこだわり「マニアがマニアの為に作ったアイテム」であったこと。それは処女作「COLLECTORS ITEMS」のジャケットでビートルズグッズを並べて撮影してみせたことからも明らかで、その後もピンク・フロイドの「A GREAT SET」、ボブ・ディランの「THE BASEMENT TAPES」などでその卓越したデザインの手腕をふるい続けました。単にアーティストの写真に文字を重ねた、というような単純なレイアウトからはおおよそかけ離れた手の凝りよう。
 そして彼はどのメーカーよりもマッカートニー・フリークだったことから、それまでにないほど高品位なポールのLPを作り続けていたという点が称賛に値します。その最たる例がポール版「COLLECTORS ITEMS」と言えた「SUITABLE FOR FRAMING」、あるいは「TUG OF WAR DEMOS AND MORE」といった具合で、どれも内容面とパッケージ面の両方で完成度の高いものでした。こうしたリチャードの偉業を明らかにしてくれたのはクリントン・ヘイリンの「The Rise & Fall of the Secret Recording Industry」という本。そこではリチャード本人がインタビューに答えていたのですが、肝心のポール関連のリリースに関して触れてくれなかった点が惜しまれます。

 そんな彼のセンスが最大限に発揮されたのが「COLD CUTS」。ここでも彼はジャケットをポールの写真でお茶を濁すようなことはせず、彼のファンクラブ「CLUB SANDWICH」に引っ掛けておもちゃのレコード・プレイヤーにハムを乗せたユーモアのあるアートワークに仕上げていました。内容があれだけ素晴らしいアルバムにこれほど打ってつけなデザインはないでしょう。今回のリリースに際しても、リチャードが作った印象的なアートワークを継承。やはり「COLD CUTS」といえばこのジャケですよね。
彼によって遂に発掘された幻のアルバムは現在1981年にほぼ完成したバージョンを収録していたことが明らかとなっていますが、ちょうどこれが出た1986年にはポールが再度「COLD CUTS」に着手しておきながら、またしてもお蔵入りしてしまったことが報じられており、タイミングの良さからその時のバージョンが流出したかのようが錯覚を与えてしまったもの。

その後CD時代に入ってひっそりと登場した「HOT HITS AND COLD CUTS (Second Mix)」は81年バージョンとは違うミックスを収録していたことでマニアの間で静かな注目を集めました。つまりこちらが1980年に再び着手した際のバージョン。それを完成させたのが翌年のバージョンだったのです。
1980年のウイングスは秋から当時の新曲を元にリハーサルを開始。それが好評発売中の「PUGINS HALL REHEARSALS 1980」。それと同時にポールがウイングスのメンバーに与えた仕事が1978年以来、手つかずとなっていた「COLD CUTS」を仕上げることでした。当初はリンダの「Love’s Full Glory」なども候補に挙がっていたようですが、とりあえずアルバムにまとめたのが一枚目に収録された1980年バージョン。
ところが、この作業中にジョン・レノンの射殺という悲劇が起き、果てはジョージ・マーティンによって今までと違うミュージシャンを起用すべきだという進言を受けたことでウイングスはなし崩し的に解散を余儀なくされてしまいます。それでも前年に手掛けていた録音をまとめ上げたのが二枚目に収録された1981年バージョン。
その違いは歴然としているのですが、簡単に言えば一枚目がラフミックスで二枚目が完成品ということ。例えば「Waterspout」などは80年バージョンだとイントロの最中でもポールの話し声が消されず残ってしまっているところがラフミックスらしい。またオープニングの「A Love For You」 などはいよいよミックスが違っており、80年版がまだ元の「RAM」レコーディング時の雰囲気をと留めていたのに対し、81年版になるとギラギラと飾り付けられており、トラックとしての完成度は高いものの随分と派手な演奏へと進化しています。「My Carnival」も前年よりカーニバルの演出をより前面に押し出した仕上がり。

今回のリリースに際して80年バージョンはいくつかの枝分かれコピーが存在する中、コア・マニアしか所有していないロージェネレーション・バージョンを元にしました。ただしこのバージョン、冒頭5曲においてほんのわずかながら音欠けが生じていましたので、そこは2010年のトレバー・ジョーンズ音源バージョンにて補填。つまり同じ音源の枝分かれコピーにてアジャストしたということになります。
そして81年版はリチャードのLP以降、おそらく彼から音源を受け取ったと思われるビゴトーンがペグボーイ名義でリリースした「COLD CUTS」を元にリマスター。既にリリースから25年近くが経過したアイテムですので、テクノロジーが進化した今回のイコライズによってナチュラル感はそのままに音の抜けが俄然よくなっています。これら二つのバージョンを聞いて痛感させられるのは、何より曲がイイということ。とてもお蔵入りしたとは思えない。それが81年バージョンによって完成の域にまで達していたことを思い知らされます。今も昔も初心者からマニアまで必聴のポール未発表曲集2バージョンを最新ベスト・バージョンにてお届け、その違いもじっくりと楽しんでください!

(参考)
1st Mix (1978 Version)→「Hot Hits & Cold Cuts」のタイトルで2LPリリース予定だったもの。
2nd Mix (1980 Version)→今回のディスク1
3rd Mix (1981 Version)→今回のディスク2
4th Mix (1986 Version)→未流通。「Blue Sway」のみアーカイブ版『McCartney II』に収録。

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1(46:23)
2nd Mix (1980 Mix)

1. A Love For You
2. Mama's Little Girl
3. Night Out
4. Hey Diddle
5. Best Friend
6. Tragedy
7. Waterspout
8. Same Time Next Year
9. Cage
10. My Carnival
11. Did We Meet Somewhere Before?
12. Robber's Ball

Disc 2(47:19)
3rd Mix (1981 Mix)

1. A Love for You
2. My Carnival
3. Waterspout
4. Mama's Little Girl
5. Night Out
6. Robber's Ball
7. Cage
8. Did We Meet Somewhere Before?
9. Hey Diddle
10. Tragedy
11. Best Friend
12. Same Time Next Year