UFO - CHICAGO 1982(2CDR) [Shades 1210]

UFO - CHICAGO 1982(2CDR) [Shades 1210]

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Live at International Amphitheater, Chicago, IL, USA 13th March 1982 ULTIMATE SOUND!!

 2020年6月9日、ポール・チャップマン死去。66歳の誕生日当日のことでした。そんな彼の死を悼むに相応しい超極上のライヴアルバムが登場です。
 そんな本作に記録されているのは、チャップマンの全盛期とも言えるUFO。「1982年3月13日シカゴ公演」の超絶級オーディエンス録音です。マイケル・シェンカーを失ったUFOはチャップマンを迎えて80年代の突入したわけですが、NWOBHMの追い風を受けた本国人気は下がるどころかむしろ上昇。『NO PLACE TO RUN』はスタジオ作で唯一のシルバーディスクに輝き、さらに『MECHANIX』は全英8位(『STRANGERS IN THE NIGHT』の7位に次ぐ2番目)というヒットを記録。全盛期と言ってもいい活躍を見せていました。まずは、そんな当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめておきましょう。

・1月1日-4日:北米#1(3公演)
・1月7日-28日:英国(15公演)←※公式『REGENERATOR』
《2月『MECHANIX』発売》
・1月29日-3月20日:北米#2(31公演)←★ココ★
・4月1日-6月9日:北米#3(29公演)
《6月:ピート・ウェイ脱退》
《8月-12月『MAKING CONTACT』制作》

 これが1982年のUFO。このツアーからはオフィシャルの発掘盤『REGENERATOR: LIVE 1982』もありましたが、あれは『MECHANIX』が出る前のロンドン。それに対し、本作のシカゴ公演はアルバム発売と前後して始まった「北米#2」の28公演目にあたるコンサートでした。
 そんなショウできろくされた本作は、「超」の付く極上サウンド。それも「超・超々……」とズラズラ息の続く限り並べてしまいたいほどの。「1982年」「シカゴ」でピンと来ている方も多いと思いますが、本作は今話題の“HOT OFF THE HEADS PRODUCTION”コレクション。しかも、公開した本人が「これぞベスト!」と太鼓判を押している超傑作なのです。実際、そのサウンドには非の打ち所がない。このシリーズは距離感のないド密着で知られており、本作ももちろんその個性が全開。その上で、絶品の艶が凄いのです。これがもう、艶っ艶のテラッテラ。80年代らしいバンドの出音と極々うっすらとしたホール鳴りが不可分に混じり合いつつ、曇りや濁りにはならず、エッジまでギラギラ。ギターは金属光沢レベルですし、ドラムは皮の躍動感まで感じる。そして絶品なのがフィル・モグのヴォーカル。わずかにかけられたエフェクトと現場の鳴りが区別できないほど自然に溶け合い、あのブリティッシュ・ヴォイスをさらに美しくしている。手で触れればじゅわっと濡れそうなほどの湿度をたたえ、黒飴のような芳醇な甘味が絶品。オフィシャル作品を含めても、これほどフィルの歌声が美味い記録がかつてあったでしょうか……。
 そんな美味のサウンドで描かれるのは、チャップマン時代でも全盛を極めた1982年のフルショウ。前述のように、このツアーには公式盤『REGENERATOR: LIVE 1982』もあるわけですが、あれは1枚物のせいかやや物足りない。ここでは比較しながら整理してみましょう、

●マイケル・シェンカー時代(5曲)
・PHENOMENON;Rock Bottom(★)
・FORCE IT;Shoot Shoot(★)
・LIGHTS OUT:Too Hot to Handle/Lights Out
・OBSESSION:Only You Can Rock Me
●ポール・チャップマン時代(9曲)
・NO PLACE TO RUN:No Place to Run/Mystery Train
・THE WILD, THE WILLING AND THE INNOCENT:Long Gone/The Wild, the Willing and the Innocent/Makin' Moves
・MECHANIX:We Belong to the Night/Let It Rain/Terri(★)/Doing It All for You
●その他
・I'm Your Hoochie Coochie Man(★)
※注:「★」印は公式盤『REGENERATOR: LIVE 1982』でも聴けない曲。

……と、このようになっています。この日だけのお遊び「I'm Your Hoochie Coochie Man」も面白く、このツアーだけの隠れ名曲「Terri」も披露。それ以上なのが、フルショウの体験感でしょう。公式盤『REGENERATOR』に『CLEVELAND 1982 PRE-FM MASTER(Power Gate-121)』『WE BELONG TO THE NIGHT(Power Gate-234)』を加えた3本が“MECHANIX TOUR”の3大サウンドボードなのですが、そのどれもが抜粋盤なのに対し、本作は一気貫通のフルライヴアルバム。3作のどれでも聴けない「Rock Bottom」「Shoot Shoot」や子どもが飛び入り(?)する「Lights Out」まで、全曲を淀みなく極上サウンドのまま一気体験できるのです。

 メロディのマイケル・シェンカーに対して、グルーヴのポール・チャップマン。ピート・ウェイやアンディ・パーカーとの相性の良さはバツグンで、3人がかりで生み出す躍動感は間違いなく歴代No.1でした。そして、その“ノリ”こそがMSGとも違うUFOだけの凄味だった。本作は、そんなチャップマン時代の全盛期を超極上サウンドでフル体験できる超貴重盤です。もはやサウンドボードかオーディエンスかの違いも意味を成さない旨みのライヴアルバム。どうぞ、存分にご賞味ください!

★これは凄いです。世紀のライヴ盤!

Disc 1(46:25)
1. The Planet Krypton Intro
2. We Belong to the Night
3. Let It Rain
4. Long Gone
5. MC
6. No Place to Run
7. The Wild, the Willing and the Innocent
8. Only You Can Rock Me
9. Terri
10. Makin' Moves
11. MC
12. I'm Your Hoochie Coochie Man
13. Doing It All for You

Disc 2(49:54)
1. MC
2. Too Hot to Handle
3. MC
4. Lights Out
5. Rock Bottom
6. Mystery Train
7. Shoot Shoot

Phil Mogg - Vocals
Paul Chapman - Guitar (R.I.P.)
Pete Way - Bass
Andrew Parker - Drums
Neil Carter - Keyboards, Guitar