RIOT - KAWASAKI 2019 1ST NIGHT(2CDR) [Shades 1105]

RIOT - KAWASAKI 2019 1ST NIGHT(2CDR) [Shades 1105]

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Live at Club Citta, Kawasaki, Japan 5th October 2019 PERFECT SOUND(from Original Masters)

 待ちに待った『LIVE IN JAPAN 2018』も無事リリースとなり、再び日本に戻ってきた重金属戦士RIOT。その最新ステージを記録したオリジナル録音が早くも登場です。
 そんな本作に収められているのは「2019年10月5日:クラブチッタ川崎公演」。その傑作オーディエンス録音です。今回の日本公演は川崎2公演のみ。今週は、その両日のライヴアルバムが同時リリースとなるわけですが、本作は初日公演にあたります。長らくビッグ・イン・ジャパンの代名詞のようなバンドでしたが、海外で“RIOT V”と改名した現在では徐々に活動もスケールアップ。まずは、そんな近況の中でショウのポジションをイメージしてみましょう。

●2019年
・2月1日+3日: 70,000 TONS OF METAL出演
《8月2日『LIVE IN JAPAN 2018』発売》
・8月16日-24日:欧州#1(9公演)
・10月5日+6日:日本(2公演)←★ココ★
・11月2日-15日:欧州#2(13公演)
●2020年
・7月16日:BANG YOUR HEAD!!!出演

 これが現在までに公表されている2019年/2020年のスケジュール。2018年は、20年ぶりとも言える本格的なツアーを実施したわけですが、その勢いは今年も継続。かつての栄光に囚われないファン層が開拓されてきたのか、夏のヨーロッパ・フェスにも積極的に参加し、この秋にも欧州ツアーが決定。日本公演はその合間に行われ、彼ら初のアコースティック・セットも大いに話題となっています。
 そんな初日を記録した本作は、絶品のオーディエンス録音。録音家本人から譲られた本作だけのオリジナル録音なのですが、何よりも素晴らしいのは力強い芯。実のところ、重低音は今ひとつクリアとは言えないものの、それはボケたサウンドという意味では(決して!)ない。中音域は芯も力強くグイグイと目の前に迫り、手応えタップリなら高音の伸びも十分。実際、中高音はクリアさも十二分で、踊るツイン・リードもトッド・マイケル・ホールのハイノートもえらくクッキリ。ベースの輪郭のみ判然としないものの、ここで誤解して頂きたいのは「低音がない」でも「キンキンした音」でもないということ。実際には重低音もずっしりと力強く、鮮やかな中高音とのバランスも良い。もちろん、ベースもしっかりと捉えられているものの、その感触が「ゴリゴリ」というよりは「ブンブン」唸る感じ。これは恐らく現場の出音の問題なのでしょう。
 そんなサウンドで描かれるのは、前述のように初めて披露されるアコースティック・セットも新鮮なショウ。大きく2部構成になっており、冒頭からいきなりのアンプラグド。その後に通常のエレクトリック・セットになります。その内容は……

【第一部:アコースティック】
・Tokyo Rose『ROCK CITY』/Bloodstreets『THUNDERSTEEL』/In Your Eyes『NIGHTBREAKER』
・UNLEASH THE FIRE:Land of the Rising Sun/Take Me Back/Until We Meet Again

【第二部:エレクトリック】
●ガイ・スペランザ時代(6曲)
・ROCK CITY:Warrior
・NARITA:49er/Road Racin'
・FIRE DOWN UNDER:Outlaw/Altar of the King/Swords and Tequila
●トニー・ムーア時代(6曲)
・THUNDERSTEEL:Flight of the Warrior/Johnny's Back/Thundersteel
・THE PRIVILEGE OF POWER:On Your Knees/Metal Soldiers/Storming the Gates of Hell
●マイク・ディメオ時代(2曲)
・NIGHTBREAKER:Destiny/Magic Maker
●トッド・マイケル・ホール時代(5曲)
・UNLEASH THE FIRE:Bring the Hammer Down/Fall From the Sky
・ARMOR OF LIGHT:Victory/Angel's Thunder, Devil's Reign/Heart of a Lion

……と、このようになっています。注目のアコースティック・セットは『UNLEASH THE FIRE』を軸としつつ、各シンガー時代の代表曲を見本市のように散りばめたもの。ミッド・テンポの曲をセレクトしているわけですが、そのバラエティは実に豊か。アコースティックだからこそ、センチメンタルなメロディの美しさが丸出しになり、曲の良さそのものが浮き彫りになる。決してメロディック・スピードメタル1本槍ではなく、様々なタイプの名曲を書いてきた事を改めて思い出させてくれる。ここでは密着感のあるサウンドが完璧にマッチしており、歌声は吐息レベルで、ギターはピッキング・ニュアンスの次元で、それこそアコースティック・ベースさえも克明に聴き取れます。
 そして、エレクトリックの第二部になるといつもの魅力が全開。2018年は3月と9月の2回も来日を果たしてコンセプトの異なるショウを披露してくれましたが、本作のエレクトリック・セットもまたセットを大きく入れ替え。「Bring the Hammer Down」「Storming the Gates of Hell」「Altar of the King」など、昨年2度の来日では演奏しなかった名曲を披露してくれる。特に久しく演奏していなかった「Destiny」や今年から始めた「Magic Maker」といったマイク・ディメオ時代のセレクトは、あまりにも素晴らしい。アコースティック・セットの「In Your Eyes」にしてもそうですが、トッドの歌声はディメオ時代の曲も情感たっぷりに、そしてディメオ以上の伸びやかさで聴かせてくれる。ガイやトニーの系譜に並ぶ声質もあって、むしろ「RIOTらしい」とさえ感じさせる見事な歌いっぷりなのです。
 さらにメモリアルなのが「49er」。演奏の前には「40年前の今日(10月5日)に『NARITA』がリリースされたんだ」と告白される。実のところ、曲数自体は2日目よりも少なく、その点では同時リリースの『KAWASAKI 2019 2ND NIGHT(Shades 1106)』に譲るのですが、それを補って余りある特別な1曲なのです。

 日本を愛し、日本人から愛されてきたRIOT。あまりにも美しい初披露のアコースティック・セットと、昨年とは趣向を変えたエレクトリック・セット。その双方に加え、40周年の特別すぎる「49er」まで素晴らしいサウンドで味わえる傑作ライヴアルバム。どうぞ、じっくりとご堪能ください。

Disc 1 (70:24)

Acoustic
1. New York State of Mind (Billy Joel song)
2. Tokyo Rose
3. Land of the Rising Sun
4. Bloodstreets
5. Take Me Back
6. In Your Eyes
7. Until We Meet Again

Electric
8. Intro.
9. Victory
10. Flight of the Warrior
11. Bring the Hammer Down
12. On Your Knees
13. Metal Soldiers
14. Fall From the Sky

Disc 2 (69:14)
1. 49er
2. Destiny
3. Johnny's Back
4. Storming the Gates of Hell
5. Outlaw
6. Road Racin'
7. Altar of the King
8. Angel's Thunder, Devil's Reign
9. Magic Maker
10. Heart of a Lion
11. Swords and Tequila
12. Warrior
13. Thundersteel

Todd Michael Hall - Vocals
Don Van Stavern - Bass
Mike Flyntz - Guitar
Nick Lee - Guitar
Frank Gilchriest - Drums