THE WHO - WINNIPEG 1976(2CD) [IMPORT TITLE]

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販売価格: 3,800(税込)

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商品詳細

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Live at Winnipeg Arena, Winnipeg, MB. Canada 18th October 1976

 今回JEMSはシアトル以外にもう一つ1976年ツアーからの音源をネットに上げてくれました。それは10月18日のウィニペグ公演。シアトルの所でも触れた8月の短期「Whirlwind Tour」の後、ザ・フーは秋になって大々的な最後のアメリカ・ツアーを行っています。そもそも76年のツアーの面白いところは、まるで現在のストーンズのようにゆとりのある間隔でツアー日程を消化していたということ。
 それは深刻になり始めていたキースの健康状態への配慮があったのかもしれませんが、それ以上に映画「TOMMY」の成功のアメリカでのヒットを受け、間隔を開けた日程でもスタジアムでやれば採算が取れてしまうほどフーの人気が爆発していたことに他なりません。大物アーティストがスタジアムで連続公演を行うのが当たり前となった時代。75年ツアーの時にはまだ連続公演が組まれていたというのに、この年は驚くほどゆとりのあるスケジュール。まさに王者然としたフーならではのツアーだったと呼べるでしょう。
 そんな栄光の1976年の締めくくりが10月のアメリカとカナダを回るツアー。このツアーの中では珍しく二日連続の日程で行われたオークランド公演が昔から優良音源としてマニアに知られていましたが、特に初日ではロジャーの声が苦しそうな場面などがあり、さすがにツアーが終盤を迎えてお疲れ気味な様子が伺えたもの。さらに忘れちゃいけないのはツアー最終日で実質的にキース存命時のラスト・パブリック・ショーとなってしまった10月21日のトロント公演。この日に関しては「KEITH’S FINAL LIVE」という決定版をリリース済。今回のウィニペグ公演はトロントの前に行われたカナダ・エリアでの公演であり、ラス前ライブということになります。

 ここまで挙げてきた10月のステージを捉えた音源は野外らしい刺激的な音質のオークランド、ステレオ録音で豊かな臨場感とクリアーさが魅力のファイナル・トロントといった音質でしたが、今回のウィニペグ公演は同時リリースのシアトルと同じようなモノラル録音であり、やはり骨太でキースのドラミングを中心としたザ・フーの驚異的なパワーに溢れた演奏を捉えた音質。古くからトレーダー間に広まっていた音源ではあったのですが、そこはJEMS、今回は「正真正銘のファースト・ジェネレーション」という血統書付きのロージェネ音源を使用。
 それでも全編を通してハムノイズのような低域の耳障りさと高音がキツめという印象が拭えず、さらにはシアトルよりも少し後退したバランスの音像も気になります。今回の限定のプレスCDリリースに当たってはそうしたマイナス・ポイントを緩和するイコライズを施しました。その結果として聞き心地の悪いハムノイズが一掃された一方で高音も緩和、そして何よりも演奏の輪郭が浮きだったのです。さらには今回JEMSが上げてくれた76年ツアー音源の持病とも言えたピッチの不安定さも徹底的にアジャスト。元音源とはまるで別次元のクリアネスを持った状態へと生まれ変わりました。

 演奏の方はキースがハイパーだったシアトルとは違い、彼がいい感じにバンドを支える安定感と頼もしさが魅力。同じことはトロントにも当てはまりますが、ツアー終盤らしい安定感が大きな魅力でしょう。オープニングの「I Can’t Explain」こそいつもよりテンポ遅めに始まってドキドキさせられてしまいますが、それ以降はキースがバスドラの連打を始めとしたどっしりエンジン全開プレイで演奏を一気に激しくしてくれるのがお見事。シアトルがそうだったように、ここでもキース最高のドラミングが響き渡る骨太なモノラル録音の魅力が最大限に発揮されています。
 8月の「Whirlwind Tour」ではかなりラフに演奏されていた短縮「TOMMY」パートをピートが再び丁寧に演奏している点も評価したいところ。もちろん「Fiddle About」ではキースが本領発揮の暴れぶり。シアトルでのハイパードラミングの一方で同曲のキースに物足りなさを感じた人も、ここでの彼にはニンマリさせられるはず。

 そして「My Generation」の展開がファイナルのトロントとはまったく違うところも聞きどころ。そこでは長いジャムの果てに「Who Are You」初期の草稿をピートが演奏した展開が良く知られていますが、この日はさすがに「Who Are〜」には向かいません。ところがおなじみブルースに転調するまでが長く、まるでハードロックのように激しいパッセージを弾きまくるピート、それに合わせて叩きまくるキースが壮絶。この曲では残念ながらカットが入ってしまうのですが、その激しい展開が落ち着いたところでのカットというのが不幸中の幸いでした。
 そこからも解るように、トロントとはまた違ったピートの弾きまくりぶりが冴えている日だとも言えるでしょう。それでも収まりがつかないのか、最後の「Won't Get Fooled Again」でもピートがいつも以上に弾きまくって(演奏が歌に戻ろうとしてもまだ弾いている)おり、そこへキースがティンパニで応酬するというスリリングな場面まで聞かれるのです。
 こうした壮絶な演奏を聞かされると、やはりキースのドラミングとオリジナルのザ・フーがいかに別格な存在であったかを思い知らされると同時に、1976年にアメリカでの人気を極めたのも当然のように思えてなりません。いずれにせよシアトルとはまったく違う雰囲気の演奏でありながら、やっぱりキースのドラミングが圧巻!そして圧倒的に聞きやすくなった音質でラスト・ツアー終盤ならではの名演を堪能してください。

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1 (44:54)
1. Intro 2. I Can't Explain 3. Substitute 4. My Wife 5. Baba O'Riley 6. Squeeze Box
7. Behind Blue Eyes 8. Dreaming From the Waist 9. Magic Bus

Disc 2 (58:27)
1. MC 2. Amazing Journey 3. Sparks 4. The Acid Queen 5. Fiddle About 6. Pinball Wizard
7. I'm Free 8. Tommy's Holiday Camp 9. We're Not Gonna Take It 10. See Me, Feel Me
11. Summertime Blues 12. My Generation (with Join Together, My Generation Blues)
13. Won't Get Fooled Again