BOB DYLAN - JERUSALEM 1987(1CDR) [Uxbridge 1239]

BOB DYLAN - JERUSALEM 1987(1CDR) [Uxbridge 1239]

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商品詳細

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一時は活動に対する迷いから引退まで考えていたというボブ・ディランが一転して見事な復活を遂げたのが1987年のヨーロッパ・ツアー。むしろ「偉大なる復活」という代名詞は74年よりも、この年のディランにこそ当てはまるのではないでしょうか。同じようにトム・ペティとハートブレイカーズをバックに従えた公演として、わが国では来日公演が実現した前年の方の印象が強い。しかし欧米ではセットリストの変化が凄まじく、それでいてディランのバイタリティに溢れたパフォーマンスが聞かれる87年の方が圧倒的に評価は高い。
そんな新生ディランぶりを伝えてくれる最高の音源が今回リリース。それはツアー開始から二日目に行われたエルサレム公演。この年のヨーロッパ・ツアーは演奏内容以外にもスケジュールが非常にユニークでして、何と初日はイスラエル。そして二日目がエルサレムだったという。ただでさえ意欲を取り戻したディランにとって、初めてライブを行う地というのがまたやる気に拍車をかけたことは間違いありません。

よってディラン初のエルサレム公演というレアなステージなのですが、音質は実に素晴らしい。ディランの声を中心として演奏が実にオンなバランスのオーディエンス録音であり、一風変わった土地でのステージを最高の捉えてくれたテーパーの仕事ぶりには脱帽。はっきり言ってプレスのCDでリリースされたとしても何ら遜色のないレベル。もちろんマスター・カセットからの収録で鮮度も抜群。ただし、今回のリリースに当たってピッチはアジャストしています。
 これほどの極上音源であった割に、今まで本公演がアイテムとしてリリースされた皆無でした。確かにここで披露されたレパートリーは後の日でも演奏された曲ばかり。そのせいで本公演はいつも87年ツアー・アイテムのボーナストラック要員として使われるばかりという、悲運の音源でもありました。

 ところがどうでしょう、ここで聞かれるディランのやる気満々な歌いっぷりといったら。前年のツアーが進むにつれて、ペティやハートブレイカーズの面々は「あなたの過去の曲をもっと取り上げたい」と進言していました。ところが自伝でディラン本人が証言していたように、86年の彼にそうした意欲はなく、代わりにあの年のツアーで「Unchain My Heart」といったカバー曲がやけに増えたにのは、そうした事情があったのです。
 ところが87年に入ってグレイトフル・デッドとの共演ツアーを果たした際、彼らとリハーサルする内にディランは忘れていた情熱を取り戻した。その結果、彼らとのツアーにおいてディランが歌ったレパートリーは一気に幅広いものとなりました。

 その恩恵を受けて87年ヨーロッパ・ツアーではセットリストやレパートリーの変化がさらにエスカレート。何とディランがペティらに向かって「やりたい曲があったら言ってくれ」と自分から申し出るまでになったのだから驚き。その成果としてツアー初日のイスラエルと今回のエルサレムではセットリストが一曲もダブらないというディランのライブ史に残る大地殻変動が起きたのです。
 そして何と言っても特筆すべきは、ショー全編を通してやる気に満ち溢れたディランの力強い歌いっぷり。ツアーを通して彼が絶好調だったことも87年ヨーロッパの評価を高くさせる要因となっていますが、それがツアー二日目ともなれば彼のコンディションはキレッキレ。オープニングの「The Times They Are A-Changin'」からしてアカペラ気味の意外な歌い出し、さらにライブ開始後すぐにキラーチューン「Like A Rolling Stone」が飛び出す。
 これは明らかに初めてコンサートを行うエルサレムの人たちへのサービスなのでしょうが、そこで聞かせる歌がまた元気いっぱい。86年ツアーでもアメリカでは「MADISON SQUARE GARDEN 1986 FINAL NIGHT」や「BEST SHOW: MINNEAPOLIS 1986」といった限定プレスCDでリリースされるに相応しい名演がありました。しかし、87年の活きがいいディランの歌いっぷりは格別。それに熱狂するエルサレムの人たちの反応もまた素晴らしい。
 
 ここまでの駄文を読んでいただければわかるように、今までフルでリリースされて来なかったのが不思議なほどの大充実なディランの初エルサレム公演。ところが最後にはハプニングも。アンコールに応えて演奏された「Shot Of Love」ですが、その途中から音響トラブルによるノイズがバリバリと。これはショー開始序盤から散見されていた問題なのですが、遂に同曲の演奏前半で電源そのものが落ちてしまう。
 いかにもロックコンサートに疎い国で起きてしまったトラブルといった感じですが、悲しいかな落ちた電源が復活することはなく、ショーはこのまま打ち切りに。もしトラブルが起きなければもっと演奏が続いたはず。とはいえ皮肉にも、このトラブルのせいでCD一枚にすっぽり収まるコンパクトで聞きやすいショーということにもなったのです。
 来週はディランの87年ヨーロッパにおいて、もっともアッパー版のリリースが渇望されていた一日が限定プレスCDでリリースとなる(さてどの日でしょう?)のですが、その前に一枚でサクッと楽しめる、超聞きやすいゴキゲンなオーディエンス・アルバム。完全版リリースはこれが初となる名音源にて87年の絶好調ディランをおさらいしませんか?

(63:44)
1. Intro
2. The Times They Are A-Changin'
3. Man Of Peace
4. Like A Rolling Stone
5. Rainy Day Women # 12 & 35
6. Emotionally Yours
7. Shot Of Love
8. Ballad Of A Thin Man
9. You're A Big Girl Now
10. John Brown
11. License To Kill
12. It's All Over Now, Baby Blue
13. Gotta Serve Somebody
14. Slow Train 

Bob Dylan (vocal & guitar) with Tom Petty & The Heartbreakers.

Tom Petty (guitar), Mike Campbell (guitar), Benmont Tench (keyboards), Howie Epstein (bass), Stan Lynch (drums)
with The Queens Of Rhythm: Carolyn Dennis, Queen Esther Marrow, Madelyn Quebec (backing vocals).