ERIC CLAPTON ? ROYAL ALBERT HALL 1996 1ST NIGHT: DAT MASTER(2CDR) [Uxbridge 2292]

ERIC CLAPTON ? ROYAL ALBERT HALL 1996 1ST NIGHT: DAT MASTER(2CDR) [Uxbridge 2292]

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Royal Albert Hall, London, England 18th February 1996 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters)

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【1996年ロイヤル・アルバート・ホール初日公演の高音質ステレオ・オーディエンスマスター!】

 今週はまたエリック・クラプトンの秘蔵音源でお馴染みの、イギリス在住重鎮テーパー提供のDATマスターからの良質音源をリリース致します!1996年2月18日、クラプトンが恒例として行なっていた地元ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール13連続公演の初日を非常に良好なステレオ・オーディエンス録音で完全収録したものです。この音源、かつて同じ重鎮テーパーのマスターから見開き紙ジャケ仕様の「Third Degree」というタイトルでリリースされたことがありました。しかしそれは25年以上も前のこと。それ以降再発されることなく今日に至っている上に、今回はDATマスターを提供してくれたことで、過去最高の音質となっています。

 前年の1995年2月には「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の一環で、同会場にて連続公演を行なっていましたが、この翌年の1997年にはこの恒例の連続公演は実施されませんでした。その後は1998年の「ピルグリム・ツアー」を待たねばなりませんでしたので、端境期とも言うべきこの年には、一体どのような内容のコンサートであったか、興味を持つ方も多いのではないかと思います。その初日公演を非常にクリアで聴きやすい音質で収録しているのが本作です。重鎮テーパーのマスターとしては、サウンドボード録音に迫るレベルという質感ではなく、このホール特有の空気感(鳴り)と臨場感も捉えた非常に「きれいな」オーディエンス録音です。非常に興味深い内容になっていますので、是非この機会にご鑑賞いただければと思います。

【クラプトンがやりたいことをすべて詰め込んだ、ファン驚喜のセットリスト】

 ではここで、このコンサートが行なわれた1996年がクラプトンにとってどのような意味合いを持っていたのかをおさらいしてみましょう。
・1月11日、13日:ロンドンのロニー・スコッツ・クラブで行われたドクター・ジョンのギグに飛入り。
・2月16日〜3月19日:イギリス公演(内、ロイヤル・アルバート・ホールでは13連続公演) ←★ココ★
・5月9日:ニューヨークのローズランド・ボールルームにて、ドクター・ジョンと共にVH1のテレビ番組「デュエッツ」の収録。
・5月28日:ロンドン、シェパーズブッシュ・エンパイアで行われたバディ・ガイのコンサートに飛入り。
・6月20日:イタリアのモデーナで開催されたオペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティ主催のチャリティコンサートに出演。
・6月29日:ロンドンのハイド・パークで開催された「プリンシズ・トラスト・コンサート」に出演。
・9月12日:ニューヨークのレキシントン・アーモリーで行われたジョルジオ・アルマーニの出店祝いイベントに出演。
・11月18日、19日、26日:ロンドン、シェパーズブッシュ・エンパイアで行われたシェリル・クロウのコンサートに飛入り。
・12月31日:故郷の町サリー州ウォーキングで毎年恒例のチャリティ・コンサート「ニュー・イヤーズ・イヴ・ダンス」を開催。 

 いつもの年に比べ、新作アルバムのリリースはなく、ツアーも地元イギリスでの短期のものだけだったことがお分かりいただけるでしょう。なぜなら、前々年〜前年まで「ナッシング・バット・ザ・ブルース・ワールドツアー」に明け暮れていたからです。従って基本的には休養に充てていた年でした。しかしそんな中でも地元での恒例の連続公演を含むイギリスツアーは実施していました。つまりこの連続公演は特別だったのです。何が特別だったかと言いますと、(1)大規模なツアーでの長距離移動がない分、じっくり腰を落ち着けて、長めの演奏時間を設定したこと。(2)そうするために、この時点でクラプトンが考え得る(やりたいと思う)すべてのライブ要素を採り入れたこと。(3)そして13公演、毎日セットリストとソングオーダーを組み替えたことです。(1)では、この日は25曲も演奏しました。(2)と(3)については、前年まで入魂で取り組んだ「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の流れを継承すべく、ブルースナンバーを多くセットインさせつつ、そこではカットしていた自身のレパートリー(ヒット曲、代表曲)を復活させています。そして92年に大成功させた「アンプラグド」の趣向も残したいと考え、中間にシッティングのアコースティックセッションコーナーを設けていました。つまり、ブルース、ヒット曲、アンプラグド。クラプトンの魅力を全方向から表現する内容のステージになっていたということです。この初日のセットリストを見ても、非常に興味深いです。前半はまさにヒット曲連発。そこにはKnockin' on Heaven's Door、Behind the Mask、White Roomといった懐かしいナンバーも組んでいました。そしてアコースティックコーナーでは、この時点ではまだ未発表だったCircus、My Father's Eyesを演奏しています。これらの曲は、1998年リリースの次スタジオアルバム「PILGRIM」に収録されたのですが、それらは打ち込みのリズムを多用したエレクトリックバージョンという仕上がりでしたが、ここではアコースティックアレンジで演奏していたのです。それは、この時点ではこのアレンジでレコーディングしようと考えていたからに他なりません。なぜなら、この時点ではクラプトンは、「PILGRIM」のプロデュースをベイビーフェイス(Change The Worldでのコラボで有名)に任そうとしていたからです。ベイビーフェイスらしい、アコースティックの薫り漂う温かいサウンドにするつもりだったということです。それだけに、実際の「PILGRIM」での両曲の仕上がりはサイモン・クライミー・プロデュースにより、、一転して無機質な打ち込みを多用したものに激変したわけですが、両曲のこのアレンジを聴けるのは、この時期だけなのです。さらに興味深いのは、Tears in Heavenでは哀愁を表現するため、ジェリー・ポートノイによるハーモニカが終始伴奏していますし、My Father's Eyesでは、中間部にクラリネットソロをフィーチュアするという、細やかなアレンジです。これがまた素晴らしいパフォーマンスなのです。是非聴いていただきたい。そして、このコーナーでは77年のアルバム「SLOWHAND」のアウトテイクだったトラッドナンバーAlbertaを久々に取り上げているほか、Laylaの中間部では、ミュートしたトランペットソロをフィーチュアしているという、他の年の公演では有り得ないアレンジとセットリストになっていたわけです。そして後半はTearing Us Apart以外はすべてブルース。クラプトンは前年までじっくりたっぷり取り組んだ「ナッシング・バット・ザ・ブルース・ツアー」ではまだブルースをやり飽きてなかったのですね。アンコールまでブルースで決めて、この最高のセットリストだったステージを終えます。クラプトンファンなら、これほど至れり尽くせりのコンサートはないと思われるでしょう。バンドも前年の「ナッシング・バット・ザ・ブルース・ツアー」のまま、ホーンセクションも引き連れ、さらに女性コーラスも加えた豪華な布陣です(ここには現在のツアーで復帰しているケイティ・キスーンもいます)。前年にはブルースでしか吹いていなかったホーンセクションに素晴らしいアレンジが施され、ここではクラプトンのヒット曲と見事に馴染み、楽曲のキレとパワーを増強しています。Bell Bottom Blues、Lay Down Sally、Behind the Mask、White Room、Tearing Us Apartあたりを聴いていただくと、それを実感していただけるでしょう。すべての意味を込めて、この日のキラーチューンはI Shot the SheriffとOld Loveです。クラプトンのキャリア上、名演の多い両曲ですが、こんな凄いソロはあまり例がありません。両曲とも、まるでギターに語らせているような、物凄い表現力とテクニックです。これもまた是非聴いていただきたいものです。
 クラプトンの全側面を表現した素晴らしいコンサート。DATマスターを収録した本作で是非ご鑑賞ください。

Disc:1 (69:29)
1. Introduction
2. Badge
3. Bell Bottom Blues
4. Knockin' on Heaven's Door
5. Lay Down Sally
6. Wonderful Tonight
7. I Shot the Sheriff
8. Old Love
9. Behind the Mask
10. White Room
11. Sunshine of Your Love
12. Circus
13. Tears in Heaven

Disc:2 (72:33)
1. My Father's Eyes
2. Alberta
3. Layla
4. Reconsider Baby
5. Third Degree
6. Tearing Us Apart
7. I'm Your Hoochie Coochie Man
8. I'm Tore Down
9. Have You Ever Loved a Woman
10. It Hurts Me Too
11. Five Long Years
12. Every Day I Have the Blues
13. Before You Accuse Me

Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Jerry Portnoy - harmonica
Dave Bronze - bass
Steve Gadd - drums
Tessa Niles - backing vocals
Katie Kissoon - backing vocals
The Kick Horns (Roddy Lorimer - Trumpet, Tim Sanders - Tenor Sax, Simon Clarke - Baritone Sax)